日本は2023年から2年間、国連安全保障理事会の非常任理事国を務めます。日本が選出されるのは国連加盟国で最多の12回目で、今月は議長国となります。
国連の安全保障理事会はアメリカやロシアなど5つの常任理事国と、地域ごとに選出される10の非常任理事国を合わせた15カ国で構成されており、毎年改選される5カ国のうち、今年は日本が選ばれました。
ニューヨークの国連本部では3日に、2023年から非常任理事国となる日本、スイス、マルタ、エクアドル、モザンビークの国旗が掲げられました。
石兼公博国連大使は会見にて、ロシアによるウクライナ侵攻について発言。「私たちは法の支配を守るために国連憲章の原則を再確認し、安全と生活が脅かされている多くの人たちのために何ができるか考えなければならない」と、国際社会の平和と安全の維持に取り組む姿勢を強調しました。
また、安全保障理事会でのロシアや中国との関係性を疑問視された際は、「対話を期待している。中国やロシアと本当の対話を行うことで、安保理で統一された決定を出すことができ、地域の安全保障の状況に変化をもたらすことができる」との考えを示しました。
石兼国連大使は北朝鮮のミサイル問題に対して危機感を示す
3日にニューヨークの国連本部で記者会見を開いた際、各国のメディアからウクライナ情勢と北朝鮮のミサイル問題をめぐる質問が相次ぎました。
北朝鮮による相次ぐミサイル発射について、石兼国連大使は会見で「状況は悪化している」と危機感を示し、その上で安全保障理事会としての一致した対応を目指すとコメント。さらに「安保理に入ったからには、近隣からの脅威に直面している日本の声を伝え、安保理として一致した声をあげるべく最善の努力をしたい」と発言しました。
そのほか、中東やアフリカなど世界各地の安全保障問題について、議長国・日本がどのような方針で取り組むのか、などの質問が行われました。
なお、日本が国連安全保障理事会の非常任理事国を務めることについて、ネット上では、以下のような国連の仕組みを疑問視する声があがっています。
- 日本の非常任理事国入りは名誉なことだが、国連改革を実現しない限りできることは限定的だ
- ロシアと中国に決議の拒否権がある以上、日本国が2年間任期で理事国になっても意味ない
- いまの国連の組織や仕組みは、現代の実態に合わなくなっています
今後、国連の仕組みが変更されるのかは、現時点では定かではありません。国連安全保障理事会の動向に注目したいところです。