2019年に京都アニメーションで発生した悲惨な放火殺人事件の裁判が、25日に京都地裁で行われました。この事件で、青葉真司被告(45)に対する裁判員裁判の判決が下され、増田啓祐裁判長は求刑通りの死刑を宣告しました。判決では、被告に完全な刑事責任能力があったと判断されています。
弁護側は無罪を主張しており、この事件の判決は精神障害による妄想の影響が焦点となっていました。検察側は、被告の妄想は「犯行に及ばなければ自分に危害が及ぶといった差し迫ったものではない」と指摘し、その攻撃的な性格が事件の原因であると主張しました。また、「類例を見ない凄惨(せいさん)な事件」とも強調しています。
一方で弁護側は、被告が重度の精神障害を抱え、「10年以上にわたって妄想の世界の圧倒的な影響を受けていた」と指摘しています。また、事件当時は善悪の判断や行動制御能力が失われていたと述べ、心神喪失状態であるとして無罪を訴えました。さらに弁護側は絞首刑による死刑の残虐性を指摘し、これを選択すべきではないとも強調しています。
死刑判決が不服として、青葉真司被告側が26日に控訴
2019年7月18日、京都アニメーション第1スタジオで青葉真司被告が起こした放火事件は、社員ら36人の命を奪い、32人を負傷させるという悲惨な結果を招きました。
この事件の加害者である青葉真司被告は重傷を負いながらも生存し、事件から1年5ヶ月後に起訴されています。2023年9月の初公判で被告は起訴内容を認め、「当時はこうするしかなかった。現在ではやり過ぎたと思っている」と自己の行動を振り返りました。
心神喪失でも心神耗弱の状態でもなかったとして、36人の死者を出した非業の事件に対して、京都地裁は死刑判決を下しました。犠牲者の遺族は法廷で被告に対して厳しい処罰を求め、「死をもって償ってほしい」と強く訴えていました。判決では被告の殺意の強さと行動の残虐性が強調され、極刑が必要とされたのです。
しかし、被告側はこの死刑判決に不服を申し立て、26日に控訴しています。ネット上では、「今後仮に最高裁まで争ったとしても死刑から変わる可能性は低いと思う」「罪が大きすぎる」「被害者の苦しみを自分自身に感じた時、本当の判決かと思います」などの反応が見られました。