韓国の性犯罪者GPS監視制度と日本のストーカー対策の課題

韓国の性犯罪者GPS監視制度と日本のストーカー対策の課題

韓国では、性犯罪の再犯防止策として電子足輪によるGPS監視システムを導入し、厳格な管理体制を敷いています。性犯罪など凶悪事件で有罪判決を受け、再犯のおそれが高いと判断された者に対して、GPS機能を搭載した電子足輪の装着を義務付け、24時間体制で位置情報を追跡しています。​

監視対象者の犯罪歴に応じて、特定の被害者や子どもが集まる場所などを接近禁止エリアに設定し、異常な行動が見られた場合は韓国法務省の位置追跡中央管制センターが即座に対応する仕組みです。2025年9月末時点で装着を義務づけられている人は約4600人に上り、統計のある性犯罪では電子足輪の導入により再犯率が9分の1まで減少したと報告されています。システムは位置情報を常に監視するため、プライバシーの侵害に当たるとの指摘や、差別を生む懸念も指摘されています。​

韓国では性犯罪者に対する社会の視線は厳しく、名前や住所、顔写真などが国のホームページで公開される制度も設けられています。2000年から公開が始まったこの情報公開制度により、市民はウェブやアプリで簡単に性犯罪の前科がある人物の個人情報を検索できるようになっています。被害者の命を守ることを優先する声が多く聞かれ、京畿大学校犯罪矯正心理学科の専門家は「子どもが被害となった性犯罪事件をきっかけに、人権論争よりも子どもたちの社会の安全性がもっと重要だとなった。どちらの人権が優先されなければならないのか、選択しないといけません」と述べています。​

一方、日本ではストーカー行為の果てに命が失われる事件が後を絶ちません。2024年に神奈川県川崎市で発生した岡崎彩咲陽さん殺害事件では、女性が元交際相手によるストーカー被害を繰り返し警察に相談していたにもかかわらず、適切な対応が取られず悲劇が起きました。神奈川県警の検証報告書では、担当した警察官全員が危険性や切迫性を過小評価し、報告や記録化など基本的な対応をしなかった結果、組織的な初動対応が行われず「不適切な対応」と指摘されています。​​

被害者の命を守る対策の必要性

日本では、GPS監視などの電子監視制度は原則として認められておらず、韓国のような性犯罪者に対する厳格な監視体制は導入されていません。被害者の「命」を守ることと、加害者の「人権」をどう両立させるか、韓国の事例は日本社会にとっても重要な示唆を与えています。人権侵害への配慮が重視される一方で、被害者の命を守る実効的な対策が十分に講じられていないという課題が浮き彫りになっており、日本でも同様の制度導入について今後の議論が求められています。​

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