JR東日本は、モバイルSuicaの位置情報データを活用した革新的なサービスの展開を計画しています。自動改札機での精算が不要となる「改札フリー」システムや、個人間送金機能の追加により、利便性と決済機能の向上を図ります。
さらに、移動や決済に関する膨大なビッグデータをクラウド上で一元管理し、沿線地域の商業開発や街づくりに役立てる新たなサービス開発を進める予定です。これにより、効果的な販売・マーケティング活動や出店戦略の立案が可能となります。
また、改札フリーシステムの導入により、利用者の増加と改札機の維持管理コスト削減が期待できます。JR東日本のインターネット銀行とも連携し、利便性をさらに高めることで、モバイルSuicaの登録数や決済頻度の向上を目指します。
テレワークの定着によって鉄道利用が減少し、地方沿線の過疎化や首都圏の人口減少が予測される中、JR東日本はビッグデータを活用したデジタルサービスを非鉄道事業の柱として位置づけています。このデジタルトランスフォーメーションを通じて、地方創生も後押ししていく方針です。
ネット上では、「不正への対処はすると思うけど、現状のICカードでいいかな」「他人の不正が気になる人は反対だろうな」「完全にクレカのタッチ決済とQR決済に取って代わられてしまった」などの意見が寄せられています。
JR東日本、「データカンパニー」への転換を目指す
JR東日本は「データカンパニー」への転換を目指し、さまざまな施策を進めています。現在、地域ごとに分散している改札機のデータを2026年度までにクラウドで一元管理することで、利用状況に応じた柔軟な運賃設定やサービス提供が可能になります。
また、2028年度には、Suicaや関連サービスを統合した専用アプリの導入を予定しているとのことです。これにより、利用者の嗜好や健康状態に合わせたきめ細かなサービス提案が実現します。
Suicaの機能拡張により、商業施設やホテルとの連携を強化し、非鉄道事業の収益を10年で倍増させることを目標としています。発行枚数は既に1億枚を超え、国内有数のデータ基盤を誇りますが、その潜在力を十分に活用できていませんでした。
今後は、個人情報の適切な管理が課題となります。過去には、移動データの外販サービスが個人情報保護の観点から中止に追い込まれた経緯もあります。JR東日本は、「必要な情報のみを扱い、細心の注意を払う」とコメントしています。