
NTTデータグループは、2026年度中にITシステム開発の大部分を生成AIが担う「AIネーティブ開発」を本格導入する方針です。 開発工程そのものをAIが扱いやすい形に単純化し、人手に依存してきた労働集約型モデルからの転換を図るねらいです。
AIネーティブ開発では、まず生成AIが顧客企業の要望を分析し、システムの最初の設計図にあたる要件定義書を自動作成します。 その後、別の生成AIがこの要件定義書をもとにプログラムを生成し、システムを完成させるという流れになります。 従来は要件定義の後に詳細設計書を作成してからプログラミングに移行していましたが、新手法では設計書作成の一部工程を省き、全体の開発プロセスを短縮できるとしています。
IT技術者の役割は、AIが生成したプログラムの検証や工程全体の管理・補佐にシフトし、動作不良や改善点があればAIに修正指示を出す形で品質を確保します。 NTTデータグループは、2030年度をめどに現状比で作業効率を約5割向上できると見込んでおり、国内で深刻化するIT人材不足への抜本策と位置づけています。
当面は、業務効率化や事業改革を目指すデジタルトランスフォーメーション(DX)案件や、中堅・中小企業向けの比較的小規模な開発から適用を始めます。 一方、銀行の勘定系システムや製造業の生産管理システムといった大規模かつ複雑な基幹系では、安全性や信頼性を検証しながら段階的な導入を検討するとしています。
国内ITサービス市場は、企業のDX需要や老朽システム更新、サイバー攻撃対策への投資拡大を背景に、2029年には市場規模が約9兆6625億円と2024年比で4割近く拡大する見通しです。 これまでSI(システムインテグレーション)業界は、技術者のスキルと人数、期間を掛け合わせる「人月」ベースで開発費を算定してきましたが、国内首位のNTTデータグループが生成AIを全面活用することで、業界全体にビジネスモデル転換の圧力が高まるとみられます。
世界も注目するAIネーティブ、NTTデータGは人材育成も加速
AIネーティブ開発には、世界のIT大手も強い関心を示しており、クラウド最大手のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は2025年に同様の考え方を提唱しています。 IT調査会社ガートナーも、AIネーティブ開発を2026年の最重要技術に位置づけており、NTTデータグループは実用化で先行することでグローバル競争力の強化を狙います。
開発プロセスの高度な自動化を進める一方で、同社は生成AIを使いこなす人材基盤の整備も進めています。NTTデータグループは、生成AI人材育成について当初「2026年度末までに実践的な人材3万人」という目標を掲げていましたが、2025年10月時点で7万人に達したと公表し、計画を大幅に前倒ししました。 これを踏まえ、2027年度までに育成対象をグローバルを含む全社員約20万人へ拡大する方針で、レベルを4段階に分けた研修フレームワークに基づき、実務で生成AIを活用できる人材を育成するとしています。
同グループはまた、企業が自社業務に特化した生成AIエージェントを開発できる基盤「LITRON Builder(リトロン・ビルダー)」を2026年4月から提供開始する計画を示しており、業務特化型AIの開発環境整備にも乗り出しています。 シリコンバレーには、AIネーティブな新規ビジネスの創出を担う新会社「NTT DATA AIVista」を設立しており、海外拠点も活用しながらAI関連事業の拡大を図る構えです。
こうした取り組みが本格化すれば、日本発の大手SIerが人月依存型ビジネスから、成果や価値提供に基づく新たなモデルへ移行する試金石になるとの見方もあります。 一方で、AIが生成したコードの品質担保や、責任分界の在り方など、制度面やガバナンス面での議論も今後の焦点となりそうです。





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