
Instagramの責任者アダム・モセリ氏は1月1日、InstagramおよびThreadsへの投稿で、AI生成コンテンツの氾濫に対し「本物の写真に電子透かしを入れて識別する方が現実的」との見解を示しました。
モセリ氏は、もうAI生成の写真や動画を見かけない日はなくなったと指摘。かつて「現実の瞬間を正確に捉えている」と無条件に信じられていた写真や動画も、生成AI技術の高度化でその前提は崩れました。AIコンテンツの精度がさらに向上すれば人間の目では真偽の区別が完全につかなくなるとし、ユーザーには「見ているものをまず疑う」懐疑的な姿勢が必要だと訴えました。
この提案の背景には、プラットフォーム側によるAI検出の限界があります。モセリ氏が所属するMetaなどのSNS企業は、これまでAI生成コンテンツを自動認識してラベル付けする取り組みを進めてきました。しかし、Metaの監督委員会は、Instagramを含む同社のプラットフォーム上でAI生成コンテンツを確実に検出できないことを指摘し、改善を促しています。
モセリ氏は現状を踏まえ、AI生成コンテンツの存在自体を悪とするのではなく、その識別方法の転換を提案。 カメラメーカーに対しては、撮影時に画像へ電子透かし(フィンガープリント)や暗号署名を埋め込み、「これはリアルな写真である」と証明できる仕組みの普及を求めています。
また、AIコンテンツが今後従来型コンテンツを上回る時代が来ても、人間のクリエイターへの需要はむしろ高まるとの見方を示しました。
「生々しさ」が証明手段になる時代のクリエイター像
AIがあらゆる画風や完璧な美しさを模倣できるようになった今、クリエイターに求められる価値も変化しようとしています。モセリ氏は、今後成功するクリエイターの条件として「自らの本物らしさを維持する方法を編み出すこと」を挙げています。
かつてデジタルカメラやスマートフォンは、「補正機能」を競争の軸としてきました。しかし、AI生成画像があふれかえる世界では、加工されていない「生々しさ」こそが、その画像が現実であることの証明となり、新たな価値を持つとモセリ氏は述べています。
実際、ソニーやニコンなどのカメラメーカーでは、撮影データに来歴情報を記録するC2PA技術の実用化が始まっています。モセリ氏の提案は、こうした業界の流れと一致するものであり、今後防御手段・証明手段としての真正性情報が、クリエイターの信頼性を確保する重要な要素になっていくといえるでしょう。








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