日本企業18社が始動、地球の裏側まで1時間「次世代宇宙港」構想

日本企業18社が始動、地球の裏側まで1時間「次世代宇宙港」構想

東京からニューヨーク、あるいはロンドンへわずか1時間。従来は困難だった移動手段が現実のものになろうとしています。 2040年の実用化を目指す「次世代型宇宙港(NSP:New Space Port)」プロジェクトが、日本企業主導で本格的に動き出しました。

中心となるのは、東京に拠点を置くスタートアップ「将来宇宙輸送システム株式会社(ISC)」です。 2024年8月、三井不動産、三菱倉庫、鹿島建設、商船三井、日本郵船など17社と室蘭工業大学が集結し、「次世代型宇宙港ワーキンググループ」が発足しました。

同グループは2025年10月までに計22回の議論を重ね、単なるロケット発射場ではなく、商業施設やエンターテインメント、エネルギー、防災機能を併せ持つ多機能複合拠点としての構想をまとめています。

こうした宇宙港を支えるのが、段階的なロケット開発計画「ASCAプロジェクト」です。2028年までに垂直離着陸実験機「ASCA hopper」や衛星打ち上げ用「ASCA1」の実証を行い、2032年までには有人飛行が可能な「ASCA2」を開発します。最終的に2040年代、完全再使用型単段式宇宙往還機(SSTO)「ASCA3」の実現を目指す計画です。

ASCA3は全長約41メートル、全備重量716トンの機体で、乗客50名と10トンの物資を一度に輸送できます。 ブースターを切り離さず機体ごと帰還する点が特徴です。従来のロケットは打ち上げのたびに部品を海へ投棄していましたが、ASCA3は1日2回の運用が想定され、航空機のように燃料を補給すればすぐに次の便として出発できる設計です。

このシステムが実現すれば、大気圏外の「サブオービタル(準軌道)」空間を利用したP2P(2地点間)輸送により、地球上のあらゆる都市へ1時間以内での到着が可能になります。

陸と海をつなぐ新たなインフラ、2026年には第2期WGも始動

次世代型宇宙港は、陸上の複合施設と洋上発射基地を組み合わせた巨大インフラとして計画されています。陸上でロケットの整備と乗客の受け入れを行い、洋上で安全に打ち上げるこの「陸海分業」モデルは、安全性と利便性を両立させる仕組みです。

洋上には発射船と、乗客が搭乗直前まで滞在できるセキュリティ完備の船舶を配置。陸上には旅客ターミナルに加え、商業施設や教育・研究機能も備えた複合拠点を整備する計画です。

2026年4月には第2期ワーキンググループが始動予定。法整備や具体的なビジネスモデルの構築に向けた詳細検討が始まります。宇宙を「特別な場所」から「日常の移動手段」へ変える新たな挑戦が、日本の産業界を巻き込みながら加速しています。

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