モスクワ郊外のコンサートホールでの武装集団による銃撃事件で60人死亡 イスラム国が犯行声明
ロシアのモスクワ郊外にあるコンサートホールで22日夜、武装集団による銃撃事件が発生しました。この襲撃で、少なくとも60人が死亡し、145人以上が負傷する大惨事となりました。ロイター通信は、イスラム過激派組織「イスラム国」がSNSを通じて犯行声明を出したと伝えています。
今回の事件は、クラスノゴルスク地区の「クロクス・シティ・ホール」で、ロックバンドの公演前に発生しました。迷彩服を着た複数の武装集団がステージへ乱入し、銃撃を開始しました。爆発音がした後に火災も発生し、会場は約1万3,000平方メートルが焼ける事態に。
建物の屋根は崩壊し、約100人が地下から避難したとされています。今後、逃げ遅れによる下敷きなどで、さらに多数の犠牲者が出る恐れがあります。SNSには、武装集団が銃を乱射する様子を収めた動画も投稿されています。このコンサートホールは6,200人を収容できる施設でした。
ネット上では、「まさかモスクワのテロがイスラム国によるものとは思わなかった」「民間人を狙ったテロはイスラム国の代名詞みたいなもの」「首謀者やその組織はしっかり責任を負うべきであり、徹底した捜査により問題を解決して欲しい」などの意見が寄せられています。
ウクライナの大統領府顧問はSNSでウクライナの関与を否定
モスクワ郊外で起こった銃撃事件について、ロシアのペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領が状況について定期的に報告を受け、適切な措置を講じていると述べました。この事件を受け、モスクワなど大都市や周辺での公共イベントは数日間中止される予定です。
イスラム過激派組織「イスラム国」が犯行を主張していますが、武装集団の詳細や動機は明らかになっていません。露治安当局は、逃走した武装集団の追跡を続けています。
メドベージェフ前大統領はSNS上で、「ウクライナに関係するテロリストだと判明すれば、政府高官も含め、容赦なく無力化しなければならない」と投稿しました。ロイター通信によれば、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は、SNSでウクライナの関与を否定しているとのことです。
米国のジョン・カービー大統領補佐官も、ウクライナの関与を示す証拠はないと述べました。過去にロシアでは、南部チェチェン共和国の武装勢力による劇場襲撃や、サンクトペテルブルクでの自爆テロが発生しています。また、「イスラム国」は過去にロシア機爆破事件で犯行声明を出しています。