中東情勢悪化でガソリン価格が史上最高値に 全国平均190円台、家計と経済に重圧

中東情勢悪化でガソリン価格が史上最高値に 全国平均190円台、家計と経済に重圧

中東情勢の悪化を背景に、国内のガソリン価格が急騰し、全国平均は統計開始以来の最高値となる水準に達しています。資源エネルギー庁が公表した石油製品価格調査によりますと、3月16日時点のレギュラーガソリンの全国平均店頭価格は1リットルあたり190円80銭で、平均価格として初めて190円台に乗せました。 前週の161円80銭から一気に約29円上昇しており、5週連続の値上がりに加え、上昇幅も過去最大となっています。 これにより、これまでの最高値だった2025年4月時点の186円50銭を大きく上回り、ガソリン価格は「200円時代」も現実味を帯びつつあります。

急騰の主因とされるのが、中東、とりわけイラン情勢を巡る緊張の高まりです。ホルムズ海峡周辺では、機雷設置の準備や貨物船への飛翔体の直撃などが伝えられ、世界の原油供給の要衝である海域の安定性に懸念が広がっています。 こうした地政学リスクを受けて国際的な原油価格が上昇し、日本国内でも石油元売り各社の卸売価格が引き上げられた結果、ガソリンスタンドの店頭価格に急速に波及した形です。

現場では、わずか数週間での大幅な値上がりに戸惑いの声が上がっています。関西地方のガソリンスタンドでは、2月には1リットルあたり139円だったレギュラーが、3月上旬には186円に達し、「前回の給油から50円ほど上がっていて驚いた」と話す利用客もいました。 値上げは家計だけでなく、物流・運送業にも重くのしかかっています。

大阪市内の大手運送会社では、毎月約800万リットルの燃料を使用しており、燃料費の急騰により「今月は最低でも2億円以上の追加負担になる」との試算も示されています。 食料品や日用品の輸送コストにも跳ね返ることが避けられず、今後の物価動向への影響を懸念する声が強まっています。

ガソリン価格には税負担も大きく反映されており、価格の約4割を各種税金が占めていると指摘されています。 中東情勢による原油高に加え、円安傾向が輸入コストを押し上げていることも高値の一因とされており、複合要因が重なった「悪い高騰」が続いている状況です。 一方で、家計防衛のためエコドライブやカーシェアリングの活用など、燃料使用を抑える動きも広がりつつあります。

政府は補助金で170円台目指すも、値下がりには時間も

今回の急騰を受け、政府はガソリン価格抑制に向けた補助金制度を再び強化します。経済産業省と資源エネルギー庁は、レギュラーガソリンの全国平均価格が1リットルあたり170円程度となることを目標に、3月19日から石油元売り各社への補助金支給を開始すると発表しました。 資源エネルギー庁の資料では、3月16日時点の全国平均190円80銭に対し、1リットルあたり40円前後の補助が見込まれており、段階的な価格抑制を図るとしています。

ただし、価格が直ちに170円台まで戻るわけではないとの見方が示されています。資源エネルギー庁から調査を受託している石油情報センターは、補助金の効果により来週以降は値下がり傾向に転じるとしつつも、170円台に落ち着くまでには1〜2週間程度を要する可能性があると分析しています。 実際、民間の集計でも、レギュラーガソリンの全国平均は2月中旬の152円20銭から5週連続で上昇しており、地域によっては1リットルあたり30円以上の値上がりが確認されています。

都道府県別に見ると、3月16日時点で山形県が198円50銭と最も高く、東京都や大阪府など都市部でも192〜193円台が並ぶ一方、埼玉県は185円20銭と比較的低水準にとどまるなど、地域差も目立っています。 こうした中、政府の補助金が価格の急騰に一定の歯止めをかける一方で、根本的な要因である中東情勢や為替動向が不透明なままでは、ガソリン価格の高止まりが続く可能性も指摘されています。 家計と企業活動の双方に直結する燃料価格を安定させるため、エネルギー安全保障や省エネ・脱炭素の加速など、中長期的な対策も改めて問われています。

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