反捕鯨団体の元代表、ポール・ワトソン容疑者がグリーンランドで逮捕 国際手配人物
反捕鯨団体「シー・シェパード」の元代表、ポール・ワトソン容疑者が21日、デンマークの自治領グリーンランドで逮捕されました。ポール・ワトソン容疑者は2010年、日本の調査捕鯨船への妨害行為を指示した疑いで、海上保安庁が国際手配していた人物です。
シー・シェパードは、日本の捕鯨に強硬な姿勢を示し、過激な妨害行為を繰り返してきました。ポール・ワトソン容疑者は8月15日まで拘束され、日本への引き渡しについて当局の判断が待たれます。
同団体の関連団体は、ポール・ワトソン容疑者が捕鯨母船「関鯨丸」の操業妨害のため北太平洋に向かう途中だったと説明。声明で「政治的動機に基づく身柄の引き渡しの要求には応じないよう求める」と、日本側に引き渡さないよう要求しています。
関鯨丸を運航する会社の所英樹社長は、「アメリカでの裁判で、シー・シェパードと調査捕鯨をしていた『日本鯨類研究所』との間で、永久的に妨害活動を行わないことで和解しているのに、なぜ妨害すると言っているのか理解できないし迷惑だ」と取材に対して答えました。
ネット上では、「日本に引き渡されれば当然拘束されるだろう」「懲役200年ぐらいでいい」「やってる事は海賊だ」「火種を抱えるようなものなので慎重に進めて欲しい」などの意見が寄せられています。
米評論家「彼は自分を『法の執行人』だと勘違いしている」
シー・シェパード創設者のポール・ワトソン容疑者が、デンマーク自治領グリーンランドで拘束されたことを受け、米評論家のトニー・マラーノ氏が背景を語りました。
ポール・ワトソン容疑者は、過去にも海外で拘束されながら逃亡に成功しています。トニー・マラーノ氏は動画で、「彼は自分を『法の執行人』だと勘違いしている。自分でルールをつくっているだけじゃないか」とポール・ワトソン容疑者を批判しました。
今回、ポール・ワトソン容疑者は日本の捕鯨母船である関鯨丸の操業妨害のため、グリーンランドの中心都市ヌークに立ち寄った際に拘束されました。トニー・マラーノ氏は「ICPOのサイトから手配書が消えていて、一般の人が見られないようになっていた。『逮捕されない』と思って出ていったのだろう」と推測しています。
ポール・ワトソン容疑者は日本に身柄が引き渡される可能性がありますが、シー・シェパードの過激行動には長年問題があるとの指摘も。「12年のときも保釈金を払って逃亡しているため、今回は保釈はないだろう」と語っています。