
米国の14の州と地域が、動画共有アプリ「TikTok」を提訴しました。中毒性の高い機能が若者の健康を害していると主張しています。
ニューヨーク州やカリフォルニア州など13の州と首都ワシントンは8日、TikTokが意図的に高い中毒性を持たせることで消費者保護法に違反しているとして、不法行為の差し止めや罰金を求める訴えを起こしました。
訴状では、顔写真を加工する機能や、スクロールで無限に動画が続く仕組みなどが、ユーザーの長時間利用を招き、健康を損なう恐れがあると指摘。また、鉄道の上に飛び乗ったり車を盗んだりするような悪質な動画の拡散が、若者を危険にさらしていると訴えています。
これに対しTikTokは声明を発表し、「これらの主張は不正確で誤解を招く。若者を保護するために行ってきた取り組みに誇りを持っている」と反論しました。TikTokは争う姿勢を示しており、今後の法廷闘争に注目が集まります。
アプリの中毒性や若者への影響をめぐっては、各国で議論が続いています。企業の責任と表現の自由のバランスが問われる事例となりそうです。
ネット上では、「言いたいことは分かるが、筋が悪すぎる」「LINEと同じ個人情報ダダ漏れかつ他国サーバーに格納されている現状を考えれば、規制をかけるのは当然」「それならYouTubeもじゃね?」など、さまざまな意見が飛び交っています。
TikTokの利用者「一度見たら止められない」「夢があるSNS」
日本でも人気の高いTikTokですが、利用者からは「一度見たら止められない」という声がある一方で、「夢があるSNS」との肯定的な意見もあがっています。
カリフォルニア州の司法長官は、TikTokが若者の中毒性を知りながらも、あえて標的にしていると批判しています。容姿加工機能についても、非現実的な美の基準を生み出し、自尊心を傷つけていると指摘しました。
これに対しTikTok側は、若者保護のための取り組みを行ってきたと主張し、訴えの内容は不正確で誤解を招くものだと反論しています。ヨーロッパでは既に中毒性への懸念から、TikTokの一部サービスが自主的に停止される動きも出ています。
専門家からは、中毒性と容姿加工機能の相乗効果を懸念する声があがっており、SNSとの適切な向き合い方を教育していく必要性が指摘されています。その一方で、TikTokが自己実現の場としても機能していることから、単なる規制ではなく、良い方向性を模索すべきだという意見もあります。