15日午前、岸田首相が応援演説のため和歌山市の漁港に訪れたところ、演説の直前に筒状の爆発物が投げ込まれました。岸田首相はすぐに避難したため怪我はなく、容疑者は威力業務妨害の疑いでその場で逮捕されました。
警察官1人が軽い怪我を負っているほか、集まった地元漁師の男性も軽い怪我を負ったと報じられています。今回の事件では、爆発物が投げ込まれた瞬間、SPが即座に蹴り飛ばし、岸田首相を守る一連の動きが高く評価されています。
ネット上では「判断が早くてさすがだと思った」「とっさにこの動きができるのは尊敬する」などの絶賛コメントが寄せられている一方で、「一般人の側に爆発物を蹴っている」「民衆よりも岸田か」といった批判コメントも見られました。
また和歌山での爆発事件があり、世間では「今後の応援演説を中止すべきでは?」という声があがっています。しかし岸田首相は16日も予定通り、大分県での街頭演説を行う方針を決めました。
その際、岸田首相は「この大切な選挙、ぜひ皆さんと力を合わせて、最後までやり通さなければならない」と発言。また複数の関係者によると、岸田首相は「暴力的なことに騒ぎ立てるのもよくない」と判断しているとのことです。
一方で、政府内からは「爆発まで時間があって助かった」などの声もあがっています。松野官房長官は要人警護の徹底を指示し、次のG7外相会合でも警備体制を強化する姿勢を示しています。
岸田首相は16日、通常通り大分県で街頭演説を行う
岸田首相が発した言葉通り、16日に大分県を訪問し、23日投開票の参院大分補欠選挙の街頭演説を行いました。そこでは少子化対策について、「個別の政策を充実させるだけでなく、社会そのものを変えていかなければならない」と強調しました。
16日の街頭演説の周辺には警察が厳重な警備体制を整え、演説が始まる1時間以上前から警官らが街宣車付近を警護し、さらには集まった聴衆らに荷物検査を呼びかけるなど、事件対策を徹底しています。
なお、16日午前には事件後初めての取材に応じ、「国内または国外からも、さまざまなご心配やお見舞いの声をいただいたことを、感謝申し上げております。選挙において、こうした暴力的な行為が行われた、このことは絶対許すことはできないと考えています」と、強い姿勢を示しました。
さらに続けて「各党の選挙活動が妨げられないよう警備に万全を期してもらいたい」とも述べています。