
10月、韓国の7人組アイドルグループであるBTS(防弾少年団)は、最年長のジン氏をはじめとしたメンバーが順次、兵役のため軍入隊を表明しました。その後の12月6日、ファンコミュニティープラットフォーム「Weverse」を通じて、メンバーであるジン氏の軍入隊が公式に発表されました。
同事務所はジン氏の軍入隊について「JINは兵役の義務を履行するために、陸軍の現役兵として入隊します」と発表。また、「新兵教育隊への入所当日に、別途の公式的なイベントは行われません」と表明しました。
入所式にファンが訪問することを予見し、同事務所は「新兵教育隊の入所式は、多数の将兵および家族が共にする場です。現場の混雑を避け安全を確保するために、ファンの皆様には現場への訪問をご遠慮くださいますようお願い申し上げます。JINへの温かいお見送りと激励は、お気持ちだけ頂戴いたします」とアナウンスしています。
その上で、事務所に無断で企画されているツアーに関して、「アーティストのIPを無断で使用した各種ツアーやパッケージ商品などの被害にあわないようにご注意ください。当社では、アーティストのIPを無断活用した商業的行為に対し、別途の措置を取る予定です」と注意を促しました。
一部政治家がBTSの兵役免除を訴え法改正を求める
韓国ではすべての成人男性が一定期間軍隊に所属し、国防の義務を遂行する兵役義務が課せられています。一部の専門職や、五輪などの世界選手権は基礎軍事訓練を受けて兵役が事実上免除されますが、大衆文化はこの対象ではないため、アイドル兼アーティスト活動を行うBTSのメンバーは軍入隊を余儀なくされます。
この件に対し、一部の政治家らはBTSの兵役を免除するよう法改正を求めました。国会では与野党議員が、BTSの軍入隊について「経済への影響が甚大だ」と主張。
国会の国防委員会は9月に世論調査会社に依頼し、大衆文化も兵役免除の対象に含めるのか、という調査を実施しました。その調査では、全国の数千人のうち賛成が60.9%という結果に。
しかし、政府は「少子化で兵力資源が急減している」「経済だけでなく、憲法や文化の価値など多様な次元で国家利益を考えなければいけない」との意見を示し、法改正に対して慎重な判断を下しました。
韓国政府は過去に、正当な理由なく入隊を拒んだものに対し、懲役刑や入国禁止措置など厳しく対応してきました。「BTSのメンバーがトラブルを起こさないか不安」といった心配の声もあがっています。