元ジャニーズ事務所の性的虐待問題で新たな展開がありました。米ネバダ州クラーク郡の裁判所に、元所属タレントの田中純弥氏と飯田恭平氏が、同社および元幹部らを相手取り、損害賠償請求の訴えを起こしたのです。
訴状によると、2人は10代の頃、故ジャニー喜多川氏から性的虐待を受けていたと主張。田中純弥氏は1997年3月に、飯田恭平氏は2002年8月にラスベガスのホテルで被害に遭ったほか、その後数年間にわたり定期的に性的虐待を受けていたとのことです。
2人は会社側に対し、ジャニー喜多川氏の加害行為を予見しながら適切な対処を怠ったと批判しています。藤島ジュリー景子代表ら元幹部の責任も追及しています。請求額は、それぞれ補償的賠償と懲罰的賠償を合わせ、1人当たり1億5,000万ドル(約230億円)以上に上ります。
SMILE-UP.社は2023年9月、ジャニー喜多川氏による性的虐待を認めましたが、被害者が賠償請求の訴訟を起こすのは今回が初めてです。アイドル業界の闇に切り込む裁判となるのか、注目が集まります。
ネット上では、「いよいよ米裁判所での提訴に踏み切ったのか」「アメリカの司法がどう判断するのかは非常に興味は有ります」「日本は損害賠償の額が安すぎるからな」などの意見が寄せられています。
SMILE-UP.「米国の裁判所には管轄は認められない」
SMILE-UP.は今回の訴訟に関して、原告となった2人は以前は日本国内に住んでおり、米国の裁判所には管轄権がないと考えていると述べています。その上で、米国の弁護士とも相談しながら今後の対応を進めていくとのことです。
また、同社はこれまでにも被害者に真摯に向き合い、迅速かつ適切な救済に努めてきたと強調しています。12月13日には、被害の申告があった530人に補償金を支払ったことを明らかにしました。今後も補償の公平性に配慮しながら、全力で取り組む姿勢を示しています。
一方、旧ジャニーズ事務所から独立したSTARTO ENTERTAINMENTは、SMILE-UP.とは資本関係がなく、経営も分離した別会社だと説明。今回の訴訟について提訴される理由がないため、困惑しているとコメントしました。訴状が届き次第、事実関係を確認の上で然るべき対応をとる方針です。
両社の言い分は平行線をたどっていますが、被害者救済と再発防止に向けた誠実な対応が求められています。