東京都とフジテレビの共同芸術プロジェクト、「東京お台場トリエンナーレ」が完全消滅へ

東京都とフジテレビが推進してきた大型芸術イベント「東京お台場トリエンナーレ」の痕跡が完全に消え去ろうとしています。3月27日、同イベントの公式サイトとSNSアカウントが今月末をもって閉鎖されることが発表されました。

このイベントは当初、2025年10月から12月にかけて草間彌生氏をはじめとする現代美術の巨匠たちの作品を集め、お台場エリアを芸術空間に変貌させる壮大な計画でしたが、今年2月に開催中止が決定していました。

中止の背景にはフジテレビを揺るがす中居正広氏の問題が影響しており、同社からは「関係者の理解を得られず、協賛確保が困難になった」との説明がされています。

東京都はこのプロジェクトに対して、広告費やアーティスト作品制作費として1億2,600万円を投じていましたが、フジテレビを中心とした実行委員会は全額返還する意向を示しています。

公式サイトには今後について「東京都からの発表をお待ちください」と記載されており、都が何らかの形で芸術振興策を継続するのか、あるいは完全に計画を白紙に戻すのかが注目されます。

ネット上では、「ここでスッパリ要らないものは切って前に進めばいい」「いつか開催できることを期待したい」「結構大きめのイベントだったと思いますが何とまぁ。同情はしませんが」などの意見が寄せられています。

東京お台場トリエンナーレとは?イベント内容やその詳細

「東京お台場トリエンナーレ」は、東京の臨海副都心・お台場エリアを舞台に開催予定だった国際芸術祭です。2025年10月18日から12月25日まで、台場公園やフジテレビ本社屋、湾岸スタジオ、日本科学未来館などの施設を会場に、国内外のアーティストによる作品展示が計画されていました。

『泰平の眠りを覚ます上喜撰 ―野生とカオスと新世界―』というタイトルのもと、江戸時代末期に遡るお台場の歴史的背景と、1990年代以降の開発によって生まれた現代的な魅力を融合させ、未来を見据えた芸術体験を提供することを目指していました。

アーティスティック・ディレクターには山峰潤也氏、三木あき子氏、建畠晢氏の3名が就任。第一次発表の出展作家として、世界的に著名な草間彌生氏をはじめ、笹岡由梨子氏、アブラハム・ポワンシュヴァル氏などの参加が予定されていました。

東京都とお台場トリエンナーレ実行委員会の主催、港区・江東区・品川区の後援により進められていましたが、残念ながら2025年2月に開催中止が発表され、3月末には公式サイトとSNSも閉鎖されることとなりました。

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