米ファンド、フジ・メディアHD株主総会で北尾氏ら12人の取締役候補を提案
- 2025/4/18
- ビジネス
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米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが4月16日、フジ・メディア・ホールディングス(HD)に対し、6月の株主総会での新たな取締役候補12名を提案しました。この動きは、中居正広氏の性加害問題対応に端を発した企業統治不全への抜本的改革を求めるものです。
提案された候補者には、SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝会長兼社長を筆頭に、旧ジャニーズ事務所のタレント管理業務を引き継いだスタートエンターテイメントの福田淳CEO、元フジテレビアナウンサーの坂野尚子氏、ジャパンディスプレイ元社長の菊岡稔氏など多彩な顔ぶれが含まれています。
ダルトン・インベストメンツ側からは、共同創業者のジェイミー・ローゼンワルド氏を含む2名も名を連ねています。
フジ・メディアHD株の7%超を保有するダルトン・インベストメンツは公表した書簡で、ガバナンス改革に加え、不動産事業の切り離しや政策保有株の解消などの構造改革が必要だと指摘。
提案する取締役はフジテレビの役員を兼任するわけではないとした上で、同社経営陣の外部招聘も視野に入れていることを示唆しています。
この提案は、フジ・メディアHDが3月に発表した取締役の大幅入れ替え案では改革が不十分だとの判断に基づくものです。
今後、株主総会に向けた議決権争奪戦に発展する見通しで、村上世彰氏の長女である野村絢氏が筆頭株主(8.96%保有)となっている点も重要な要素となっています。
SBIホールディングスの北尾吉孝氏とは?経歴や実績
北尾吉孝氏は1951年、兵庫県の船場商人の家系に生まれ、現在SBIHD代表取締役会長兼社長を務める日本を代表する金融界のリーダーです。
慶應義塾大学経済学部卒業後、1974年に野村證券に入社。総合企画室に配属され、その後ケンブリッジ大学経済学部への留学を経て、ニューヨークやロンドンなど海外拠点でのキャリアを積み重ねました。
在籍21年間で57ヶ国を訪問し、グローバルな金融ネットワークを構築したことが後のSBI創業の礎となりました。
1995年にソフトバンク常務取締役に転身し、1999年にはソフトバンク・インベストメント(現SBIHD)の代表取締役社長に就任。インターネット金融の先駆者として、証券、銀行、保険を網羅した総合金融グループを構築しました。
「ありのままを天命と受け止めて事業と向き合う」という姿勢を重視する北尾吉孝氏のリーダーシップは、日本のフィンテック革命をけん引する原動力となっています。