厚生労働省は6日、「毎月勤労統計調査 令和5年4月分結果速報」を発表しました。これによると、物価の変動を反映させた1人あたりの「実質賃金」が、13ヶ月連続で減少していることがわかりました。実質賃金は前年同月比で3.0%減っています。
このことについて厚生労働省は、「賃金は伸びてはいるものの、物価高に追い付いていない状況が続いている」と語っています。一方で、基本給や残業代などを合わせた1人あたりの現金給与総額は1.0%増加しており、金額は28万5,176円でした。
現金給与総額は増加していますが、物価の値上げに追いついていない状態が続いています。実質賃金のマイナス幅は、同年3月の2.3%減からさらに広がりました。それ以前のマイナス幅は以下の通りです。
年月 | 実質賃金 |
---|---|
令和4年7月 | -1.8% |
8月 | -1.7% |
9月 | -1.2% |
10月 | -2.9% |
11月 | -2.5% |
12月 | -0.6% |
令和5年1月 | -4.1% |
2月 | -2.9% |
2023年6月にも、食品や飲料が値上げされることがすでにわかっています。今後も物価上昇の流れは止まることなく、実質賃金の減少がさらに続くと予想されます。
6月に値上げされる食品や飲料はおよそ3,600品目
民間の信用調査会社帝国データバンクが行った「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2023年6月」によると、2023年6月に値上げされる食品や飲料は、「再値上げ」や価格を変えずに内容量を減らす「実質値上げ」を含めると、およそ3,600品目が対象であるとのことです。
帝国データバンクは、国内の食品や飲料メーカー195社を対象に調査を実施しました。商品の内訳は加工食品が1,612品目で、調味料が1,674品目。加工食品のうち、カップめんだけで約500品目が含まれます。
具体的には、日清食品の「カップヌードル」、東洋水産の「赤いきつねうどん」や「緑のたぬき天そば」などが対象です。そのほか、酒類・飲料、菓子、乳製品などが値上げの対象となります。
また7月以降も、輸入小麦や生乳の価格上昇、電気代の引き上げなどが原因となり、幅広い商品の値上げが予定されています。
帝国データバンクは「2023年の値上げは、少なくとも今秋にかけて断続的に続き、7月にも予定ベースで年間3万品目を突破するとみられる」と述べており、その上で「150円を超える昨年以上の円安進行といった突発的なイレギュラーの発生を除けば、一部にとどまる価格据え置きや値下げといった『値上げ控え』の動きが、年後半にかけて広がる可能性もある」と指摘しています。