
米首都ワシントンで5月21日午後9時8分頃、ユダヤ博物館から出てきたイスラエル大使館職員のヤロン・リシンスキー氏とサラ・リン・ミルグリム氏が銃撃を受け死亡する事件が発生しました。
シカゴ出身のイライアス・ロドリゲス容疑者(30)が4人のグループに向けて発砲し、両氏を殺害したとされています。
容疑者は現場で身柄を拘束された際、「パレスチナを解放せよ」と叫んでいたことが判明しました。22日には第1級殺人や外国当局者の殺害、銃器使用などの罪で正式に訴追されています。
ジニーン・ピロ連邦検事は記者会見で「これは死刑が適用され得る事件だ」と述べ、さらなる訴追の可能性を示唆しました。
FBI首都ワシントン支局のスティーヴ・ジェンソン氏は、この事件を「ユダヤ人コミュニティーに対するテロ行為であり、狙いを定めた暴力」と位置付け、当局はヘイトクライムとして捜査を進めています。
ワシントン銃撃事件、容疑者の行動内容が判明
イライアス・ロドリゲス容疑者(30)は事件前日に仕事の会議でワシントンに到着し、発砲前には博物館前を行き来していたとのことです。
目撃者によると、容疑者は当初銃撃に驚いた傍観者と誤認され、博物館内で介抱を受けていました。2024年からシカゴで米オステオパシー情報協会(AOIA)の管理専門家として勤務する一方、親パレスチナの抗議活動に深く関与していたことが判明しています。
使用された口径9mmの拳銃は2020年3月にイリノイ州で合法的に購入されたもので、容疑者は単独犯とみられています。
近隣住民のジョン・ウェイン・フライ氏によると、容疑者は自宅の窓に2023年にシカゴで殺害されたパレスチナ系6歳児の写真を掲示していました。
被害者のサラ・リン・ミルグリム氏は2017年、母校でナチスの落書きが発見された際に「シナゴーグに行くのも心配なのに、学校での安全も心配しなければならない」と語っていました。
当日のイベントはガザ地区の人々を支援する連合体構築がテーマで、主催者は「私たちは橋を架けることを話し合っていた。それが、全員が憎しみによって頭を打ちのめされるなんて、あまりに皮肉なことだ」とコメントしています。