
海外を拠点とした国際詐欺グループに関与していた名古屋市瑞穂区の男子高校生(16)が、詐欺の疑いで愛知県警に逮捕されました。少年は今年2月にタイ当局によって保護され帰国していましたが、県警の取り調べを拒否して行方をくらませていました。
事件の発端は昨年12月上旬、少年がメッセージアプリ「テレグラム」を通じてプログラミング関連の仕事を持ちかけられたことです。
タイを経由してミャンマーに渡った少年は、現地の詐欺拠点でアジア系の指示役のもと、石川翔紀氏(32)や谷地智成氏(22)ら約8人の日本人グループとともに、いわゆる「かけ子」として活動していました。
今年1月14日には、警察官になりすまして米オレゴン州に出張中の三重県男性に電話をかけ、口座の不正利用を理由に990万円を騙し取った疑いが持たれています。
少年は帰国後の事情聴取には協力的でしたが、5月19日に予定されていた本格的な取り調べを前に姿を消し、23日に埼玉県内で知人とともに発見されました。
ネット上では、「これを期に、環境を自ら作れる力をつけて生活して欲しい」「被害者でもあり、加害者でもある」「騙された訳じゃなくて、自分から志願して海を渡ったんじゃない?」などの意見が寄せられています。
海外詐欺拠点への人材送り込みで3人逮捕 組織的犯罪の実態が明らかに
海外を拠点とした特殊詐欺グループによる被害が深刻化する中、新たな事件の全容が判明しました。
福岡市博多区の会社役員荒木和志容疑者(31)ら3人が、知人の29歳会社員をカンボジアの詐欺拠点に送り込み、電話をかける「かけ子」として従事させた疑いで逮捕されています。
この事件は、ミャンマーを拠点とした詐欺事件と同様の構造を持っており、海外の詐欺グループが日本人を組織的にリクルートしている実態が浮き彫りとなりました。カンボジアの拠点は首都プノンペンから車で約2時間半の場所にあるとされます。
高さ2メートルの塀に囲まれた町のような施設で、4階建てのビル内では日本人や中国人ら十数人が警視庁捜査2課、長野県警、検察という3つの役割に分かれて組織的に詐欺電話をかけていたとのことです。
会社員は1月17日から5日間滞在し、1日に十数回被害者と繋がったと証言しています。幸い会社員は帰国後に自ら警察に保護を求め、現在は任意で捜査に協力しています。