三菱UFJ銀行が普通預金金利を0.001%から0.02%に引き上げ 2007年以来17年ぶり
日本銀行がマイナス金利政策の解除を決めたことを受け、三菱UFJ銀行は21日から普通預金の金利を現行の0.001%から0.02%に引き上げると発表しました。普通預金の金利を引き上げる措置は、2007年以来実に17年ぶりです。
三菱UFJ銀行が金利引き上げを発表したことで、地方銀行やインターネット銀行を含む預金獲得競争の加熱が予想されます。さらに、定期預金の金利も引き上げられ、3年物は0.002%から0.15%に、10年物は0.2%から0.3%に設定されます。
ただし、短期プライムレートについては1.475%で変更はありません。この政策は住宅ローンの変動金利にも影響を及ぼさず、現状維持される予定です。
三井住友銀行も同様の金利引き上げを行い、4月1日から普通預金金利を0.001%から0.02%に引き上げます。また、みずほ銀行やりそなグループも普通預金金利の引き上げを検討中です。
ネット上では、「金利引き上げとの事だが、どうせたかが知れている」「預金金利が20倍になったくらいで何も驚くようなことではない」「これが果たして利上げと呼べるのだろうか」などの意見が寄せられています。
19日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の変更を決定
日銀は19日に終了した金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を変更することを決めました。具体的には、マイナス金利政策の解除を行う上で、短期金利の操作を主な政策手段とします。
日銀当座預金への0.1%の金利を適用することで、市場の無担保コールレートを0%から0.1%の範囲で推移させる方針です。加えて、2016年9月に導入した長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の枠組みの終了を決めました。ただし、市場が急激な長期金利の上昇を見せた場合には、国債の買い入れ額を増やすなどの柔軟な対応を取ることを示しました。
また、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の新規購入も終了し、社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れの段階的な削減と、1年後の終了を予定しています。日銀は、賃金上昇を伴う2%の物価安定目標の実現が見通せるとし、異例とされた対応からの転換を明らかにしました。
これにより、日本の金融政策は正常化に向けて大きく進んでいくこととなります。しかし、マイナス金利政策を解除しても追加の利上げは急がず、当面は緩和的な金融環境を維持する方針を示しています。