
フジテレビジョンの持株会社であるフジ・メディア・ホールディングス(HD)が、旧村上ファンド系投資会社による株式買い増しに対する防衛措置を正式決定しました。
同ファンドは年初から積極的な株式取得を進めており、村上世彰氏の長女名義分を含めて既に発行済み株式の15%超を保有している状況です。
両者間では2月から7月にかけて複数回にわたる協議が実施されました。この交渉過程で村上世彰氏側は、最大で全株式の33.3%まで持ち株比率を引き上げる意向を表明し、さらに子会社の分離独立とその経営権取得についても言及したとされています。
これを受けてフジ・メディアHDの経営陣は、グループの根幹事業が外部投資家の管理下に置かれることで企業価値の毀損と、株主利益の侵害が生じる可能性を深刻視しました。
新たに策定された防衛策では、20%以上の株式取得を企図する投資家に対して、段階的な対応措置を設定しています。
まず当該投資家には詳細な情報開示を義務付け、既存株主が適切な判断を下せる環境を整備します。続いて臨時株主総会を招集し、防衛策発動の是非について株主意思を確認する手続きを踏みます。
最終段階では、株主総会での承認を得た場合に限り、新株予約権の無償配布という手法により敵対的買収者の持ち株比率を希薄化させる仕組みです。この一連のプロセスにおいては、6名の社外取締役で構成される独立委員会の客観的な判断を最重要視するとしています。
同社は今後も村上ファンド側との建設的な対話継続を表明しており、両者の攻防がどのような展開を見せるかが業界の注目を集めています。
旧村上ファンドの真の狙いは不動産事業分離と株価上昇による利益確保
旧村上ファンド系による大量株式取得の背景には、フジ・メディアHDの収益構造に着目した戦略的投資があります。同社は営業利益の約60%を「都市開発・観光事業」という不動産関連事業に依存しており、この高収益部門が投資家の注目を集める要因となっています。
村上世彰氏側の具体的な戦略は、放送法で定められた認定放送持ち株会社の上限である33.3%まで株式を取得し、経営の重要事項に対する事実上の拒否権を獲得することです。
この影響力を背景として、収益性の高い不動産事業の分離独立を推進し、新設される「フジ不動産」とも呼べる子会社の経営権を掌握する計画とみられています。
外資系投資ファンド関係者の分析によれば、村上世彰氏の最終目標は事業分離による企業価値向上を通じた株価押し上げであり、適切なタイミングでの売却益確保が主たる目的とされています。
実際にフジ・メディアHDの株価は、年初の1,700円台から7月10日には3,400円台へと約2倍に上昇しており、この戦略の有効性が実証されています。過去の投資行動を見ても、複数の企業で同様のアプローチを展開した後、目標達成と判断した段階で保有株式を売却しています。












-300x169.jpg)