東芝は日本産業パートナーズ(JIP)陣営による株式公開買い付け(TOB)の開始を発表しました。1株あたり4,620円の価格で、9月20日までの期間で実施される予定です。
TOBが成立すれば、JIP陣営が約2兆円で買い付け、東芝は1949年以来の上場廃止となります。この動きは東芝にとって重要な転機となるでしょう。
7日のオンライン会見で東芝の渡辺章博取締役会議長は、「東芝にとって8年間のトンネルを抜けるまさに節目の日だ。非公開化はこの東芝を単に良い会社から、より強い会社にするためのものだ」と説明しました。
また、東芝の島田太郎社長は、「現在の株主構成では中長期的に一貫した戦略を実行し、成長していくことが困難な状況にある」と指摘するなど、経営の混乱を打破するための一手と考えています。
約2兆円の資金には国内金融機関が融資するほか、ロームが3,000億円、オリックスが2,000億円、日本特殊陶業が500億円をそれぞれ拠出すると発表しています。最後に島田社長は、「我々が成長して企業価値を高めることが出資をしてくださった皆さまに対する恩返しだと思う」と語りました。
ネット上では「天下の東芝が上場廃止とは…」「無駄な延命策」「もっと早く上場廃止を決断しておけばよかった」などの意見が見られています。
東芝の第1四半期連結業績 営業利益は黒字だが…
東芝の第1四半期連結業績が明らかになりました。それによると、営業利益は114億3,700万円と、固定費などの削減が功を奏して黒字転換しました。
しかし、営業外損益は前年同期から一転して、295億6,600万円の赤字となりました。キオクシアHDへの持分法による投資損失が、前年同期比マイナス533億円となったことが影響しています。
また、ビルソリューション事業の売上高は前年同期比マイナス605億円で、これは東芝キヤリアの売却が大きく影響しています。デバイス&ストレージソリューション事業は減収減益で、半導体の販売は好調でプラス165億円だった一方、HDD市場の縮小が影響し、売上高は前年同期比マイナス261億円となりました。
また、海外売上高は前年同期比で北米以外マイナスとなり、連結売上高の減収に大きな影響を与えています。前年同期比でマイナス540億3,800万円の減少が見られました。今後の東芝の動向に注目が集まります。