
警察庁は12月11日、特殊詐欺の電話から身を守るためのアプリを推奨する制度を始めました。民間企業が開発した詐欺対策技術を活用し、複数の防止機能を備えたアプリをホームページで公表して利用を促進するもので、警察庁が民間アプリを推奨するのは初めての試みです。同日より審査の申し込みが始まり、基準をクリアしたアプリは「警察庁推奨アプリ」として認証されます。認定されたアプリについては、警察庁の公式ウェブサイトで発表される予定です。
推奨対象となるアプリは、警察庁が提供する詐欺に使われた電話番号の遮断・警告機能、国際電話番号の遮断・警告機能、警察庁が提供する防犯情報の通知機能を備えていることが条件となります。加えて、人工知能(AI)を活用した特殊詐欺電話の自動検知機能を持つ無償アプリも認証対象です。対象のアプリは無料で利用でき、有料機能の設定は認められていません。警察庁は企業からの申請を審査し、推奨期間は1年間としており、延長される場合もあるということです。ホームページでは、アプリの利用数や被害防止の実績も公表する予定です。
このような新制度の導入が急務となった背景には、特殊詐欺の被害が急増していることがあります。今年1月から10月までの被害額は既に過去最悪の約1097億円に達しており、携帯電話にかかってくる詐欺電話が全体の4割を占める深刻な状況です。特に「+」から始まる国際電話番号の悪用が目立ち、特殊詐欺の電話の約8割が国際電話番号を使用しているとの報告もあります。警察庁の楠芳伸長官は11日の定例会見で、特殊詐欺などの被害について極めて深刻な情勢が継続しているとしたうえで、「アプリの利用が促進され、被害拡大に歯止めがかかることを期待している」と述べました。
「警察庁推奨」をかたるアプリの詐欺に注意
一方、新たな懸念も浮かび上がっています。「警察庁推奨」をかたるアプリを使った詐欺事案が既に発生しており、警察庁は注意を呼びかけています。12月9日には、警視庁の防犯アプリ「デジポリス」の偽物を使った詐欺が報告されました。茨城県の50代男性は、愛知県警の警察官をかたる人物から電話を受け、「あなたはある事件の共犯者になっている。監視する必要がある」として、送られたURLからアプリをダウンロードさせられたとのことです。
アプリのアイコンはデジポリスのものと酷似しており、男性は起動しようとしたができなかったため、その後に警察へ相談しました。警察庁は「アプリは正規のアプリストアでダウンロードしてほしい」と強く注意を呼びかけており、詐欺防止と詐欺悪用の防止という両面での対策が求められています。今後、認定された事業者と警察庁が情報管理などの協定を結ぶことで、さらなる信頼性の向上を図る方針です。










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