
ニデック株式会社は2026年2月26日、創業者の永守重信名誉会長(81)が同日付で名誉会長職を辞任したと発表しました。同社はプレスリリースで、辞任は永守氏本人の意向によるものであり、「名誉会長辞任に関するお知らせ」と題した文書を公表しています。
永守氏はコメントで「名実ともにニデックから完全に身を引くことを決断した」と述べ、これまで担ってきた役職から退くことで、経営再建を次世代に託す姿勢を明確にしました。ニデックを巡っては、グループ内で不適切な会計処理が相次いで発覚しており、東京証券取引所から特別注意銘柄の指定を受けるなど、ガバナンスや内部管理体制への信頼が揺らぐ状況が続いています。こうしたなかでの創業者完全退任は、同社の再生プロセスにおける大きな節目となります。
永守氏は2025年12月19日付で代表取締役グローバルグループ代表および取締役会議長を辞任しており、その後は非常勤の名誉会長に退いていました。日本経済新聞などによると、この取締役退任の背景には、不適切会計の疑いを巡る第三者委員会の調査があり、経営陣の関与の有無が焦点となっていました。
ニデックは2026年1月、東証の特別注意銘柄指定解除に向けて「改善計画・状況報告書」を提出し、経理機能の独立性確保や会計方針の統一、取締役会の監督機能強化など、内部管理体制の抜本的な見直しに着手しています。こうしたガバナンス改革の流れの中で、長年「永守イズム」と呼ばれてきた強いオーナー色からの脱却と権限移譲が課題となっており、今回の名誉会長辞任はその流れを象徴する動きといえます。
不適切会計問題と「脱・永守イズム」 次世代経営陣に重い課題
今回の辞任にあたり、永守氏は「ニデックを再び輝く企業集団へと再生させるために、自らができることは何でもするとの強い覚悟から、本日をもって名誉会長の職をも辞する」と述べ、不正経理疑義への責任に言及した上で「これはまさに慚愧の至りであり、潔く身を引くことを決意した」と謝罪しています。
その一方で、「単に身を引くということではない。これまで会社を引っ張ってきた私自身が潔く道を譲り、その範を示すことこそが、未来に対する最後にして最大の責務だ」とも語り、創業者として、退任そのものを再生への一歩と位置づけています。
同社の有価証券報告書では、長年にわたり「ニデックの継続的な成功は主に永守氏の能力と手腕に依存してきた」と明記されるなど、経営継承のリスクが指摘されてきました。不適切会計問題の表面化後は、東京証券取引所から特別注意銘柄の指定を受け、ニデックはガバナンスや内部管理体制の整備・強化を急いでいます。
経営は現在、代表取締役社長の岸田光哉氏が担っており、永守氏が務めていた取締役会議長の後任にも就いています。IT専門メディアなどでは、「脱・永守イズム」を掲げる同社の改革に対し、創業者の影響力をどこまでそぎ落とし、実効性あるガバナンスを構築できるかが焦点と指摘されています。
永守氏は創業以来50年以上にわたってニデックを世界的なモーターメーカーに育て上げ、日本の「カリスマ創業者」の代表的存在として知られてきました。その象徴的存在が経営から完全に退くことで、同社は真の意味での世代交代と経営体制の刷新を迫られます。株主や市場関係者の間では、第三者委員会の調査結果の公表や、再発防止策の実効性、収益力の回復などに注目が集まっており、ニデックの企業統治改革が日本企業全体のガバナンス議論にも影響を与える可能性があります。








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