神奈川県大井町の東名高速で起きたあおり運転による追突事故で、一家4人を死傷させた無職の男性(32)に対する裁判で、東京高裁は2月26日、懲役18年の判決を支持しました。この事件は、2017年6月5日に被告が駐車方法を非難されたことに腹を立て、一家4人が乗ったワゴン車を停止させた後、追突事故を引き起こして夫婦を死亡させ、その娘2人に怪我を負わせました。
2月26日の判決言い渡しは約1時間に及び、裁判官に向かって被告が「俺が出るまで待っておけよ」などと言い放っています。この裁判は、当初の一審・横浜地裁の裁判員裁判で公判前整理手続きの違法が指摘され、差し戻し審を経て長期化する異例の経過をたどりました。
ネット上では、「こういういきり輩を社会から切り離し、一般市民の安全を確保することも法律の大事な役目」「ふざけたセリフだな」「この言葉で刑期を上乗せできるシステムにならないかね?」などの意見が寄せられています。
あおり運転による追突事故 これまでの裁判経緯
2017年6月、神奈川県大井町の東名高速道路で起きた一家4人が死傷した事故は、石橋和歩被告によるあおり運転が原因で、社会に大きな衝撃を与えました。この事件はあおり運転の危険性を社会問題として浮き彫りにし、その結果、2020年には道路交通法の改正が行われ、あおり運転に対する罰則が厳罰化されました。
しかし、この事件に関する裁判は複雑な経緯をたどっています。1審の横浜地裁での判決後、2審の東京高等裁判所が手続き上の違法を指摘し、審理のやり直しを命じました。その理由については、「横浜地裁の裁判手続きの進め方に違法な点があった」と指摘しています。
その詳細としては、「横浜地裁が裁判の前の争点を整理する手続きの中で、検察と弁護側の双方に対して『危険運転の罪にはあたらない』という見解を表明したのは違法で、明らかな越権行為だ。被告や弁護士に反論の機会を十分に確保しなかった点も違法だ」としています。
この過程を経て、やり直しの1審が行われ、その中で被告側は無罪を主張しました。しかし、2022年6月に横浜地裁は再び石橋和歩被告に懲役18年を言い渡し、被告はこれに不服として控訴しました。2023年12月、東京高裁でやり直し裁判が開かれ、即日結審しています。