
2026年春闘は18日に大企業の集中回答日を迎え、自動車や電機など主要産業で労働組合側の要求に「満額回答」が相次ぐなど、高水準の賃金引き上げが今年も続く見通しです。政府・日銀が重視する実質賃金は1月に13カ月ぶりにプラスへ転じており、物価上昇を上回る賃上げの定着実現が最大の焦点となっています。
電機業界では、生成AIやデータセンター向けニーズを追い風に業績が好調に推移しています。こうした中、日立製作所がベースアップ(ベア)1万8000円の要求に満額回答し、5年連続かつ現行の交渉方式で過去最高水準を達成しました。
NECも5年連続の満額回答で、定期昇給を含めた賃金引き上げ率は6.5%に達するなど、賃金引き上げを「コストではなく人材投資」と捉える姿勢が電機業界に浸透しています。
自動車業界では、トランプ米政権による高関税措置の発動や中国メーカーとの競争激化という逆風が続いています。逆風下でもトヨタ自動車が最大2万1580円の賃金引き上げと7.3カ月分の一時金を含む要求に満額回答し、6年連続で高水準の回答を維持しました。
電気自動車(EV)事業の不振で2026年3月期に上場来初となる最大6900億円の連結最終赤字が見込まれるホンダも、満額回答を選択。従業員や家族の不安払拭を経営の最優先事項と位置づける姿勢を打ち出しています。一方、鉄鋼大手各社などは中国の過剰生産に伴う市況悪化を背景に、労組の要求額を下回る回答となるなど、業種によって明暗が分かれました。
連合は2024年、25年と2年連続で5%超の賃金引き上げを勝ち取ったものの、実質賃金が物価上昇に追いつかない時期が続いてきました。2026年についても大企業を中心に5%台の高水準が3年連続で維持される見通しとなっていますが、雇用の約7割を担う中小企業にどこまで波及するかが、実質賃金プラス確保への鍵となります。
新家義貴・第一生命経済研究所シニアエコノミストは、中小企業でも人手不足を背景に一定の賃金引き上げは進むと見つつも、原油高に伴う物価上昇が最大のリスクであり、先行きへの不透明感は強いと分析しています。
中小交渉が本格化、中東リスクが賃上げマインドを冷やす懸念
今後本格化する中小企業の春闘交渉では、大企業との賃金格差是正に向けてJAM(ものづくり産業労働組合)が過去最高となるベア1万7000円以上の要求を掲げ、集中回答日までに先行大手組合が有額回答を引き出すなど順調な滑り出しです。
ただ、エネルギー価格上昇が長期化すれば、原材料コストの上昇分を販売価格に転嫁しにくい中小企業ほど打撃が大きく、賃上げ継続の余力を欠く恐れがあります。
2月末の米国・イスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格はWTI先物で一時1バレル120ドル近くまで上昇しました。輸入原油の9割超を中東に依存する日本経済はコストプッシュ型の物価上昇圧力にさらされています。
中東情勢の長期化で原油高と円安が重なれば、輸送費や電力料金の値上げが連鎖して実質賃金が再びマイナスに転落しかねず、経営者の賃上げマインドが冷え込むリスクも否定できません。賃金引き上げと物価の綱引きが日本経済の行方を左右する局面が続いています。




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