NASA、探査機「エウロパ・クリッパー」を打ち上げ 目的地は木星の衛星「エウロパ」

NASA(米航空宇宙局)の探査機「エウロパ・クリッパー」が、10月中旬に米国フロリダ州から打ち上げられました。この探査機は、横幅約30メートル、重さ約6トンと、NASAの惑星探査機では過去最大級のサイズを誇ります。

エウロパ・クリッパーの目的地は、木星の衛星「エウロパ」です。エウロパは、表面を覆う氷の下に大量の液体の海が存在すると考えられており、地球外生命の存在が期待される天体のひとつとなっています。

探査機には9つの科学機器が搭載されており、特にカメラを使った調査が重要な役割を果たします。エウロパの表面には、地殻の割れ目などから内部の海が露出している場所があり、そこに生命に欠かせない有機物が残っている可能性があるのです。

搭載されたカメラは、これまでの探査機と比べて数十倍から100倍の解像度を持つとのことです。これにより、エウロパの地形を詳細に調べ、生命の痕跡が眠っていそうな場所を特定することが期待されています。

NASAのビル・ネルソン長官は、「地球外の海洋世界に向けた最初の旅の始まりを祝福する」と探査チームを称賛しました。エウロパ・クリッパーは、2030年4月に木星の軌道に到達し、2031年と2033年にエウロパの探査を行う予定です。

エウロパとは?1610年にガリレオ・ガリレイが発見

エウロパは、1610年にガリレオ・ガリレイが発見した木星の衛星の1つです。ギリシャ神話の最高神ゼウスが愛した女性の名にちなんで名付けられ、他の木星衛星とともに「ガリレオ衛星」と呼ばれています。

直径は約3,100キロメートルと月の9割程度ですが、内部に液体の海を持つと考えられ、太陽系内で地球外生命を探す上で有力な天体とされてきました。

エウロパの探査には紆余曲折がありましたが、現在はNASAのエウロパ・クリッパーと欧州宇宙機関(ESA)の「木星氷衛星探査計画(JUICE)」が進行中です。これらの探査機は、エウロパの地形や環境を初めて詳細に調べ、生命の痕跡を探ります。

特に注目されるのは、エウロパに降り注ぐ微小な隕石の衝突によって舞い上がる物質の分析です。「SUDA」と呼ばれる機器を使って有機物や塩分を調べ、海の環境を推定します。

東京科学大学の関根康人所長もSUDAの開発に参画し、「宇宙生物学者らが待ち望んだ『本丸・本命』に打ち込む探査だ」と期待を寄せています。

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