
米調査会社アルトラタは2024年10月29日、世界の純資産10億ドル以上の「ビリオネア」の人数が2024年に過去最多の3508人に達したと発表しました。世界的な株高を背景に前年から6%増加し、巨大テック系企業の経営者などが名を連ねる北米が1198人と全体の34%を占めました。
ビリオネアの純資産総額は2023年から10%増の13兆4000億ドルに達し、3年連続で増加しました。人工知能ブームが資産増加を後押ししており、米起業家のイーロン・マスク氏や米メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者、米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏などテック系の創業者が保有する株式資産の増加が大きく寄与しました。
マスク氏の資産は、CEO を務める電気自動車企業テスラの株価上昇に加え、宇宙開発企業スペースXやAI開発企業「xAI」の企業評価額が上昇したことで大幅に増加。ザッカーバーグ氏の純資産も、メタの株価が第2四半期の利益が市場予想を上回ったことを受けて約12%増加し、2684億ドルに達しました。ベゾス氏も2024年2月から7月にかけて80億ドル以上のアマゾン株を売却するなど、資産を積極的に運用しています。
純資産が500億ドルを超える「スーパービリオネア」の26人が、ビリオネア全体の純資産総額の21%を占めました。これは10年前の4%から大きく増加しており、より富の集中が際立つ結果となっています。
地域別では欧州が2位に浮上
地域別でみると、北米のビリオネア階級の人口は前年から8%増の1198人で最多となりました。純資産総額は5兆9000億ドルと世界の44%を占め、香港を抑えてニューヨークが最もビリオネアが多い都市となりました。
欧州全体では報告書の公表を始めた2014年以降で初めて1000人を超え、2番目に総純資産額の多い地域となりました。一方、アジアは中国の景気低迷や米中貿易摩擦などの影響から平均増加率を下回る2.6%増の827人にとどまりました。
国別人数ランキングでは1位が米国1135人、2位が中国321人と続き、日本は公表されている上位15カ国までに入りませんでした。米国のビリオネアは2020年時点の927人から2024年までの4年間で約22%増加しており、その総資産は5兆7000億ドルと日本のGDPを超える規模になっています。












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