
中国の商用ロケット開発企業、星河動力航天科技(Galactic Energy)が北京証券監督管理局にIPO(新規株式公開)の指導申請を行い、上場に向けた準備を開始しました。2018年設立の同社は、中国の民間宇宙企業としてトップクラスの打ち上げ実績を持ちます。
IPO申請に先立ち、同社は2025年9月のシリーズDラウンドで約24億元(約500億円)を調達しました。出資元は北京市商業航天和低空経済産業投資基金などで、民間宇宙ベンチャーとしては異例の規模となっています。
星河動力の強みは量産体制にあります。主力の固体燃料ロケット「穀神星(CERES-1)」で27社の顧客向けに高頻度打ち上げを実現。液体燃料ロケット「智神星(PALLAS-1)」も開発し、初の打ち上げに向けて準備を進めています。
同社の戦略は「垂直統合」です。液体・固体両エンジンの自社開発に加え、地上インフラや衛星も含めたエコシステム全体をカバー。米スペースXの模倣ではなく、打ち上げ産業を「スマート工場化」する独自のアプローチといえます。上場で調達する資金は、この垂直統合をさらに深化させ、コスト競争力を高めることに使われる見通しです。
星河動力の上場準備は、中国宇宙産業が新たな段階に入ったことを示す動きといえます。政府主導の大型プロジェクトだけでなく、民間企業が資本市場から資金を調達し、自律的に成長するモデルが定着しつつある状況です。北京証券取引所への上場という選択は、成長産業を国内市場で資本化する中国の戦略の一環でもあります。
民間宇宙企業のIPO準備が相次ぐ
星河動力に続き、複数の民間宇宙企業もIPOの準備を開始しました。天兵科技(Space Pioneer)、藍箭航天(LandSpace Technology)、屹信航天などが2025年中の上場を目指しています。特に藍箭航天は、2023年に中国初となる液体燃料ロケットでの軌道到達に成功しました。同社は再使用可能な大型ロケット「朱雀3号(Zhuque-3)」を2025年末までに打ち上げる予定です。
中国は2030年の「宇宙強国」実現を国家目標に掲げ、打ち上げ能力の向上と衛星コンステレーション構築を並行して進めています。2025年11月時点で年間72回のロケット打ち上げを達成し、前年の68回を上回りました。国有企業と民間企業の両輪での成長が、今後の宇宙ビジネス地図を大きく塗り替えるかもしれません。









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