
高市早苗政権は、防衛装備品の輸出について殺傷能力のない「5類型」に限る条件を2026年前半に撤廃する方針を固めました。自民党と日本維新の会が10月に合意した連立政権合意書に基づくもので、同盟・同志国への装備品提供により安全保障協力の強化を目的としています。
自民党の安全保障調査会は12月1日、5類型の撤廃に向けた勉強会を開催しました。政府による見直しは4月頃を見込んでおり、2026年に予定されている国家安全保障戦略など安保3文書の改定に先行して実現される見通しです。
現行の防衛装備移転三原則の運用指針では、完成品として輸出可能な装備品は「救難、輸送、警戒、監視、掃海」の5類型に限定されています。この制限により、殺傷力の高い護衛艦などは「国際共同開発」などの条件を満たさなければ輸出できません。5類型が撤廃されれば、殺傷力の高いものを含め幅広い装備品の輸出が可能になります。
撤廃後も防衛装備移転三原則は引き続き維持される見込みで、この原則は紛争当事国への移転禁止や装備品の適正管理を定めています。ただし、殺傷力の高い装備品が紛争当事国に渡り、紛争が激化する事態を招かないよう、ルールも整備する意向です。
現在でも、装備品を他国と共同開発するケースでは5類型が適用されず、攻撃力を持つ装備品の輸出が認められています。日本とフィリピン両政府は、日本からの防衛装備品輸出に向け、防衛当局の局長級による協議枠組みを新たに設ける方針を固めました。中国の覇権的な行動に対抗し、日比連携を強化する狙いです。
政府は、自衛隊の防空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾」(中SAM)の輸出に関して、フィリピンと非公式に協議していることも明らかになっています。
オーストラリア政府は、次世代の海軍フリゲート艦を共同開発するにあたり、三菱重工業が設計した海上自衛隊の「もがみ」型護衛艦を基にした新型艦を選定しました。これまで日本からフィリピンへの防衛装備品輸出は、警戒管制レーダーの1件のみでした。攻撃能力を持つ艦艇の輸出が実現すれば初のケースとなり、戦後の武器輸出政策における重要な転換点となります。
防衛産業の競争力強化とデュアルユース技術の活用
国内の防衛産業にとって、5類型の撤廃は市場の拡大につながると期待されています。経団連は提言の中で、「供給先の拡大を通じて、わが国の防衛力そのものである防衛生産・技術基盤の強化に寄与する」と述べました。
企業間の競争や協力は、民生にも応用できる新技術を生み出す機会となります。また、防衛省と経済産業省の連携によって、民生先端技術を防衛分野に活用する「デュアルユース」の取り組みが進んでいる状況です。
AI、無人機、衛星通信、量子、先端材料といった民生技術が防衛領域でも不可欠となっており、防衛産業の成長は国内産業全体の競争力向上に貢献すると期待されています。












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