習近平国家主席とビル・ゲイツ氏が直接会談 「友好が続くことを望んでいる」と発言
中国の習近平国家主席が16日、米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏との会談で、米中友好関係の継続を強く望んでいると述べました。会談では「友好が続くことを望んでいる」と発言。
その上で、「今年になって北京で会う最初の米国の友人だ」とビル・ゲイツ氏を評価しており、彼の公衆衛生改善と世界の貧困撲滅への尽力を称賛しました。これはビル・ゲイツ氏の世界規模の社会貢献活動を評価する発言であり、米中関係強化の意図が伺えます。
中国で新型コロナウイルス感染抑制を図った「ゼロコロナ」政策が1月に終了して以来、世界各国の企業家が中国を訪問していますが、そのなかでも習近平国家主席が直接面会するのは稀です。今回のビル・ゲイツ氏との会談は特筆すべき事象と言えるでしょう。
ビル・ゲイツ氏の取り組み内容|米中関係への影響
ビル・ゲイツ氏は、世界の公衆衛生改善と貧困問題の解決に向けた強い関心を持っています。彼の理念は、テクノロジーの力を活用して世界中の生活水準を向上させることであり、2000年に「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」という世界最大の慈善基金団体を立ち上げました。
この団体は、ビル・ゲイツ氏と元妻メリンダ氏によって創設された慈善団体で、世界における病気・貧困への挑戦を主に目的としています。2022年7月には、一度の寄付額としては史上最大級の200億ドルをゲイツ財団に寄付すると明らかにしました。
また、ゲイツ財団は新たな寄付を受けて、当時年間60億ドルの資金拠出額を2026年までに1.5倍の90億ドルに引き上げる方針を発表。ビル・ゲイツ氏によると、新たな資金は「いまやっている活動を基本的にすべて加速させる」とのことです。
その莫大な寄付によってビル・ゲイツ氏は米国長者番付の順位を1つ落とし、5位に後退しましたが、「この規模の寄付をさらに2回くらいやって、番付の目立つ場所から消えるつもりだ」と発言しています。
また、ビル・ゲイツ氏の取り組みは、公衆衛生の改善や貧困の撲滅といった具体的な目標だけでなく、多くの国々との対話や共同作業を通じた国際的な関係構築にも寄与しています。これは、近年の中国との関わりを見れば明らかです。
米中関係について考えると、習近平国家主席とビル・ゲイツ氏の会談は、新たな協力の可能性を示唆しています。今後、米中関係が相互理解と協力に基づくことで、ビル・ゲイツ氏の慈善活動がさらに加速すると予想されます。