史上初、ISSの全ドッキングポートが使用中に—8機の宇宙船が集結

史上初、ISSの全ドッキングポートが使用中に—8機の宇宙船が集結

国際宇宙ステーション(ISS)が運用開始以来初めて、8カ所ある全てのドッキングポートが同時に使用される歴史的な状況を迎えました。米航空宇宙局(NASA)が2025年12月1日に明らかにしたところによると、この記録的な状態は11月27日に米ノースロップ・グラマンの補給船「Cygnus XL」(シグナスXL)がISSの「Unity」(ユニティー)モジュールの地球側ポートに再配置されたことで実現しました。

現在ISSには、日米露3カ国から合計8機の宇宙船と補給船が接続されています。その内訳は、米スペースXの有人宇宙船「Crew Dragon」1機と補給船「Cargo Dragon」1機、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新型補給機「HTV-X1」1機、ロシアの有人宇宙船「Soyuz」(ソユーズ)2機、そしてロシアの補給船「Progress」(プログレス)2機、そしてCygnus XL です。

Cygnus XLは11月27日に到着した有人宇宙船「Soyuz MS-28」(ソユーズMS-28)の進入経路を確保するため、一時的にISSから取り外されていました。その後、ミッションコントロールセンターからの遠隔操作とロボットアーム「Canadarm2」(カナダアーム2)を使用して再配置され、全ポートが埋まるという歴史的瞬間が訪れました。

Soyuz MS-28で輸送された3人の宇宙飛行士は、2026年7月までISSに滞在する予定です。一方、この全ドッキングポート使用状態は短期間で終了しました。12月8日には「Soyuz MS-27」がISSを離脱し、3人の宇宙飛行士を乗せて地球に帰還しています。日本時間12月9日10時41分にISS ロシア区画の「Prichal」(プリチャル)モジュールから分離した同船の帰還モジュールは、同日14時03分にカザフスタン共和国のジェスカズガンの南東へ無事着陸しました。

Cygnus XLは最大200日間、少なくとも2026年3月までISSに留まる予定です。その後、最大で約5トンのゴミや不要物を積み込んでISSを離脱し、大気圏で燃え尽きることとなります。

JAXAの新型補給機も活躍

今回の歴史的瞬間において、JAXAの新型宇宙ステーション補給機「HTV-X1」も重要な役割を果たしています。HTV-X1は2025年10月26日に種子島宇宙センターからH3ロケット7号機によって打ち上げられ、10月30日未明にISSに到着しました。ISSとの結合時には、JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さんが操作するロボットアームによって把持(キャプチャ)が行われました。

HTV-X1は従来の「こうのとり」(HTV)の後継機として開発され、輸送能力が従来の約4トンから約6トンへと1.5倍に向上しています。また、太陽電池パドルを展開型のパネル式に変更することで発電能力も1.5倍に増強され、冷蔵庫のような電力を必要とする貨物も輸送できるようになりました。さらに荷物の最終搭載が打ち上げ24時間前まで可能になり、最適なタイミングでの輸送が実現しています。[6]

この8機の宇宙船と補給船が同時にISSに接続された状態は、国際協力による宇宙開発の歴史において特筆すべき出来事であり、ISSの運用能力と各国の宇宙技術の高さを示すものとなりました。

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