
オーストラリア最大都市シドニーの観光名所ボンダイビーチで2025年12月14日午後6時40分(日本時間同4時40分)ごろ、ユダヤ教の祭典を狙った銃撃事件が発生しました。この事件では被害者15人が死亡し、42人が負傷するという惨事となりましたが、襲撃犯の一人に勇敢に立ち向かい、銃を奪った男性の行動が世界中から称賛を集めています。
警察によると、容疑者は2人の男で、うち1人は現場で警察に射殺され、もう1人は重体で入院中です。事件当時、現場ではユダヤ教の光の祭り「ハヌカ」を祝うイベントが開かれており、約1000人が参加していました。警察はユダヤ人コミュニティーを標的にしたテロ事件と断定しています。
BBCが確認した映像には、駐車中の車の後ろに隠れていた男性が、銃を構える襲撃犯に背後から飛びかかり、格闘の末にライフル銃を奪い取る様子が映っています。男性は奪った銃を構えて容疑者を地面に押し倒し、銃口を向けると、容疑者は歩道橋の方向へ後退し始めました。その後、男性は銃を下げて片手を上げ、自分が銃撃犯ではないことを警察に示しているように見えます。
この勇敢な行動をとった男性は、シドニーで果物店を営むアフメド・アル・アフメド氏(43)であることが明らかになりました。シリア出身のイスラム教徒で2人の子供がいる父親です。アフメド氏は銃撃犯と格闘中に腕と手を撃たれ、手術を受けた後、現在も入院中です。
各国首脳が勇気を称賛
ニューサウスウェールズ州のクリス・ミンズ州首相は14日深夜の記者会見で、「あの男性は本物の英雄だ。彼の勇気のおかげで今夜生きている人が大勢いることは間違いない」とアフメド氏の勇気をたたえました。さらにミンズ州首相は「地域の人々に向けて発砲する武装した男のもとへ一人で向かい、自らの命を顧みずに犯人を制圧し、数え切れないほど多くの命を救った人物だ」と語りました。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相も「他人を助けるために危険に立ち向かった複数のオーストラリア人をきょう目にした。あの人たちは英雄で、その勇気が命を救った」と述べました。アルバニージー首相はアフメド氏の行動が多くの命を救ったと称賛し、「アフメド氏の勇気が多くの命を救った」と語っています。
米国のドナルド・トランプ大統領もホワイトハウスのクリスマスレセプションでアフメド氏を称賛し、「とても尊敬」していると述べました。トランプ大統領は「銃撃犯の一人に正面から立ち向かい、多くの命を救ったのは、本当にとても勇敢な人だ」と発言し、国際的な注目が集まっています。
今回の事件では、反ユダヤ主義に基づくテロ攻撃という文脈の中で、イスラム教徒の男性がユダヤ教徒の市民を救ったという構図が、各国メディアで大きく取り上げられています。アフメド氏は複数回の手術を受けながら回復に向かっており、オンラインでの支援金はすでに100万ドルを超えているということです。












-300x169.jpg)