
上場企業の2026年3月期の純利益合計は、前期比3.9%増の54兆2877億円となり、過去最高を更新する見通しです。SMBC日興証券が2月16日に公表した集計で明らかになったもので、増益は6年連続となっています。人工知能(AI)関連企業と、利上げで業績改善した銀行が全体をけん引しています。
集計は、東京証券取引所の最上位市場である「東証プライム」に上場する3月期決算企業を中心に実施されました。2月13日までに決算や業績見通しを開示した1130社(対象の99.6%)のデータなどを基に推計したものです。
米国の高関税政策によるマイナス影響が想定より小さく、業績が上振れた企業の増加により、昨年11月時点で減益が見込まれていた集計結果は増益予想へと転換しました。
産業別にみると、製造業は前期比2.2%減と、2月6日時点の10.2%増から減益に転じました。なかでも自動車メーカーを含む輸送用機器は25.4%減と、大きな落ち込みとなっています。米政権による追加関税の影響を各社が受けており、個別では日産自動車が2026年3月期の連結最終損益で6500億円の赤字になる見通しを示しました。前期(2025年3月期)の6708億円に続く2年連続の大幅な赤字です。
同社は工場閉鎖や世界約2万人の人員削減などを盛り込んだ経営再建計画「Re:Nissan」を推進していますが、構造改革費の増加が最終損益を押し下げており、収益回復にはなお時間がかかるとみられています。
一方、AI半導体関連を含む電気機器は16.1%増と好調で、非製造業も前期比3.9%増となる見込みです。製造業の減速を補い、企業全体の増益を下支えしています。
AI・銀行が最高益をけん引、関税が今後の焦点に
通商政策の変化が業種間の収益に大きな差をもたらす結果となっています。トランプ米政権の追加関税が輸送用機器の落ち込みに直結する一方、AI関連や銀行は追い風を受けており、業種間の格差が鮮明な結果となりました。
今後の焦点は、米国の関税政策が追加的に企業のコストや販売計画にどう波及するかです。自動車など特定業種では個社の構造改革の進捗が利益水準を左右しやすく、日産のような巨額赤字を抱える企業の再建動向も業界全体のセンチメントに影響するとみられています。最高益更新という全体的な見通しの中で、成長分野の拡大と苦境業種の調整が同時に進む状況となっています。




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