
「ユニクロ」や「ジーユー」などの衣料品ブランドを展開するファーストリテイリンググループは12月22日、国内グループ企業の2026年3月入社予定の新卒社員を対象に、初任給を大幅に改定すると発表しました。対象となるのは、ユニクロ、ジーユー、プラステ、リンク・セオリー・ジャパンに入社する新入社員です。
今回の改定では、国内外への転勤の可能性がある「グローバルリーダー候補」の月額初任給を、現行の33万円から4万円引き上げ、37万円とします。この引き上げにより、年収ベースでは現行の526万円から約12%増加し、約590万円となる見込みです。また、転居を伴う異動がない「地域正社員」についても待遇改善が実施されます。月額初任給は現行の25万5000円から2万5000円増額され、28万円となります。こちらの想定年収は約407万円から約10%増の約447万円となります。なお、同社が提示する年収目安には、年2回の賞与と決算賞与が含まれており、時間外勤務手当や通勤手当はこれとは別途支給される仕組みとなっています。
ファーストリテイリングは、2020年春の入社以降、継続的に初任給の引き上げを行ってきました。昨年もグローバルリーダー候補の初任給を30万円から33万円に引き上げており、今回の改定を含めると、この6年間での引き上げ額は合計で16万円に達します。同社は今回の狙いについて、世界基準での競争力と成長力を強化するためと説明しています。グローバル水準の高度な業務に挑戦する新入社員の処遇を一層充実させることで、優秀な人材の採用競争力を高め、組織全体を「少数精鋭」へと変革していく方針を打ち出しています。
加速する「人への投資」と業界への波及
今回のファーストリテイリングによる大胆な賃上げ発表は、日本企業全体で加速する「人への投資」の流れをより強固にするものとして注目を集めています。人材獲得競争は業界の垣根を越えて激化しており、不動産大手のオープンハウスグループは、2027年春入社の新卒初任給を、さらに高水準な「40万円」とする方針をすでに示しています。また、生命保険大手の日本生命も、2026年度に実質的な賃上げ率を7%程度とする方針を明らかにするなど、優秀な若手人材を確保するための待遇改善は企業の最優先課題となっています。
こうした動きに対し、インターネットやSNS上では多くの反響が寄せられました。「物価高騰が続くなか、企業としてあるべき姿だ」「これだけの給与があれば仕事へのモチベーションも上がる」といった肯定的な意見に加え、「自分が新卒だった頃とは隔世の感がある」「羨ましい」といった率直な感想も目立ちます。一方で、「中小企業との格差がさらに広がるのではないか」という懸念の声も一部では聞かれます。世界的なインフレや労働人口の減少を背景に、日本を代表する企業が相次いで大幅な賃上げに踏み切ったことは、今後の日本国内の賃金相場や労働市場全体に大きな影響を与えると予想されます。












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