
岡山大学などは2025年12月29日までに、がん細胞だけを選択的に破壊するウイルス製剤「テロメライシン(OBP-301)」について、厚生労働省に食道がん治療薬として製造販売承認を申請したと発表しました。
同製剤について、岡山大学発のバイオベンチャー企業オンコリスバイオファーマが承認申請を実施。承認されれば腫瘍溶解性アデノウイルスを用いた食道がん治療薬としては世界初です。
テロメライシンは風邪ウイルスの一種であるアデノウイルスを遺伝子改変した製剤で、がん細胞でのみ増殖するよう設計されています。1日で10万〜100万倍に増殖してがん細胞を破壊するほか、放射線によるがん細胞のDNA修復を阻害することで、放射線治療との強力な併用効果を示します。
岡山大学学術研究院医歯薬学域の藤原俊義教授らが2002年から研究を開始。放射線治療との併用による臨床試験を2020年から全国17施設で実施してきました。第II相臨床試験には37人の患者が登録され、6週間の放射線治療期間中に3回、内視鏡下でウイルス製剤を投与しています。
その結果、18カ月後の局所完全奏効率は50%に達し、従来の放射線治療単独による局所完全奏効率22%を大きく上回りました。1年生存率も71.4%と、日本食道学会の全国登録データにおける放射線単独治療の1年生存率57.4%を上回る成績となっています。
テロメライシンの大きな利点は、従来の抗がん剤治療で問題となる吐き気や脱毛などの重篤な副作用がない点です。内視鏡を口から挿入して投与するため、患者の体への負担を最小限に抑えられます。報告されている副作用は発熱など風邪に似た軽微な症状に限定されており、日常生活に支障をきたすものではありません。
本製剤は2019年に厚生労働省による「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されており、通常12カ月の承認審査期間が6カ月に短縮されます。これにより申請後6カ月ほどでの承認が見込まれ、承認されれば2026年の末頃にも一般診療での使用が可能となる見通しです。販売は富士フイルム富山化学が担当する予定です。
標準治療が困難な患者に新たな光
食道がんは日本においても深刻な疾患で、進行期では外科手術が標準治療とされていますが、手術は10時間に及ぶことも多く、高齢や心疾患、呼吸機能低下などで手術に耐えられない患者も少なくありません。抗がん剤治療も行えない患者層が存在し、テロメライシンはこうした標準治療が困難な患者に対する新たな治療選択肢として期待されています。
藤原教授は「低侵襲で優しい治療薬として患者に届くことを願っている」とコメント。現在、米国ではテロメライシンと免疫療法を併用する試験も進んでおり、今回の食道がんに対する承認申請を突破口として、その他のがん種への適応拡大も計画されています。


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