和歌山県串本町の「スペースポート紀伊」から打ち上げられた東京の宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が開発した小型ロケット「カイロス」の初号機が、発射直後に爆発するという衝撃的な出来事が発生しました。この事故は、13日の午前11時過ぎに起こり、ロケットの残骸や焼けた地面が確認されています。
小型ロケットは全長約18メートルで、政府の小型人工衛星を搭載していました。打ち上げられた直後、白い煙が上がり、大きな音が鳴り響きました。現在、事故の原因についてはスペースワンが調査中であり、明確な原因については明らかになっていません。
ロケットの発射は当初9日に予定されていましたが、安全確保のため急遽延期されました。スペースワンは高頻度で小型衛星を打ち上げる「宇宙宅配便」の事業化を目指しており、30年代には年間30機の打ち上げを目指しています。今回の出来事は、宇宙開発のリスクと挑戦を改めて浮き彫りにしました。
スペースワンの記者会見 「諦めるつもりは全くありません」
スペースワンは13日の午後2時から、発射場近くのホテルで記者会見を開きました。この記者会見で、小型ロケット「カイロス」の打ち上げ失敗について説明しています。
打ち上げから約5秒後に異常を検知したロケットは、ロケットの1段目が燃焼中に機体に備えた装置により、飛行を中断する措置が取られたとのことです。この自爆措置は、飛行経路や速度、内部機器の異常を検知した場合に取られるもので、どの部分が破壊されたかについてはまだ特定されていません。
企業はロケットの飛行データを解析し、原因究明に努めています。打ち上げ直後のロケットの傾きは、予定されていた動きで問題はなかったとのことです。
豊田正和社長は「期待に応えることができずおわび申し上げます。ただ、諦めるつもりは全くありません。原因と再発防止策を明確にし、可能な限り早く次の打ち上げに向けて対応したいです」と失敗を認めつつも、諦めずに原因と再発防止策を明確にし、次の打ち上げに向けて早急に対応する意向を示しました。
遠藤守取締役は、過去の国の主力ロケット打ち上げ失敗の経験を踏まえ、冷静な原因究明の重要性を強調しています。また、「『カイロス』による小型衛星の打ち上げ市場への参入は若干遅れるかもしれないが、世界的に見てもまだまだ競争できると考えている」との見解を述べました。