不動産登記で国籍記入を義務化へ 外国人のマンション取得実態把握で市場環境適正化を目指す

不動産登記で国籍記入を義務化へ 外国人のマンション取得実態把握で市場環境適正化を目指す

政府は、不動産登記に所有者の国籍記入を義務付ける検討に入りました。現在は所有者の氏名や住所が記されていますが、国籍は記入されていません。マンション価格の高騰が続く中、外国人の不動産取得の実態を把握しやすくし、適切な市場環境づくりにつなげる狙いがあります。

国土交通省は今春から、登記情報を基に外国人の不動産取得の実態調査を進めています。この調査は登記に記された所有者の住所から、外国に住所がある人を抜き出す形で進めてきましたが、日本に住む外国人の取得の実態把握は難しい状況でした。そのため、政府は関連法令を改正し、登記に国籍の記入を義務付ける検討を進めています。

関係者によると、今回の実態調査では、2025年1月から6月に東京都内の新築マンションで外国に住所がある人が取得した割合は3.0%でした。特に千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区の都心6区では7.5%と、都心部であるほど割合が高くなっています。また、東京23区全体では海外に住所がある人の取得割合は3.5%となっています。

都市部を中心とするマンション価格の高騰を巡っては、外国人による不動産取得で需給が引き締まり、販売価格の高騰につながっているとの指摘があります。しかし、調査結果からは、海外からの取得割合は都心部でも10%未満にとどまっており、価格高騰の主因とは言い難い状況も明らかになっています。

住所が外国か日本かを問わず、取得から1年以内に新築マンションを売買した割合は、東京都内で8.5%でした。東京23区では9.3%、都心6区では12.2%に上っています。これは、国内外を問わず投機目的での短期転売が一定数存在することを示しており、市場の健全性を確保するための対策が必要とされています。

政府が2025年11月21日に決定した総合経済対策には、不動産取得の実態調査を行うための費用も盛り込まれ、今後も調査を継続する方針です。政府は調査結果を参考に、2026年1月までに外国人による土地取得のルールを見直す方針を示しています。

 業界団体も投機的取引の抑制に向けた新指針を策定

不動産大手などで作る不動産協会も、投機目的でのマンションの短期転売を防ぐため、引き渡し前の転売を禁止する新たな指針を作成しています。この指針では、今後購入希望者との契約時に転売を違反とすることを説明する案を盛り込んでいます。協会には三井不動産や三菱地所など約160社が加盟しており、主要社にはすでに通知されています。

引き渡し前に転売を試みた場合、売り手は契約の解除や違約金を請求することが可能となります。ただし、強制ではなく実施するかどうかは各加盟社が判断することになります。業界としては、短期転売の増加がマンション価格の上昇に与える影響は限られているとの見解を示しつつも、過度に投機的な短期転売が増加すると市場の不安定化を招く可能性があるため、規制策の検討を進めてきました。

今回の国籍記入義務化の検討と業界団体の自主的な転売規制は、不動産市場の透明性を高め、投機的取引を抑制することで、適切な市場環境を実現するための重要な一歩となります。

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