総務省が9月16日の「敬老の日」に合わせて発表した統計によると、2023年の65歳以上の就業者数は914万人に達し、過去最多を更新しました。前年比で2万人増加しており、20年連続の増加となっています。
高齢者の就業率は25.2%で、特に65〜69歳では2人に1人が働いている状況です。定年延長を進める企業の増加により、高齢者の雇用環境が整備されてきたことが背景にあるようです。
年齢別の就業率を見ると、60〜64歳は74%、70〜74歳は34%、75歳以上は11.4%と、いずれも過去最高を記録。高齢者の労働力が、人手不足を補う重要な役割を担っていることが伺えます。
また、65歳以上の就業者のうち、76.8%が非正規雇用という現状も明らかになりました。産業別では、「卸売業、小売業」が132万人で最も多く、次いで「医療、福祉」が107万人、「サービス業」が104万人と続きます。
9月15日時点の人口推計では、65歳以上の高齢者人口が前年比2万人増の3,625万人と過去最多を更新しており、総人口に占める割合も29.3%と、こちらも過去最高を記録しました。
世界的に見ても、日本の高齢化率は突出しています。少子高齢化が進む日本において、高齢者の就業は社会の活力を維持する上で欠かせない存在となっているのです。
日本の高齢化率、人口10万人以上の200カ国・地域で最も高い水準に
日本の高齢化率は29.3%と、世界平均の10.2%をはるかに上回り、人口10万人以上の200カ国・地域で最も高い水準にあります。イタリアの24.6%、ドイツの23.2%、韓国の19.3%と続き、欧米諸国を大きくリードしています。
1950年に4.9%だった日本の65歳以上人口の割合は、一貫して上昇を続けており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2040年には34.8%、2045年には36.3%に達すると見込まれています。
一方、65歳以上の就業率は2023年の統計で25.2%です。これは10年前の20.1%から5ポイント以上も上昇しており、主要国では韓国の37.3%に次ぐ高さです。
アメリカの18.7%、カナダの14.4%、イギリスの11.3%、ドイツの8.9%、イタリアの5.3%、フランスの4.2%と比べても、日本の高齢者就業率の高さは際立っています。急速に進む少子高齢化に対し、日本社会は高齢者の就労によって支えられている現状があります。
ネット上では、「日本の中枢である政治家が70、80歳で働いてんだからもうこの問題絶対解決しないと思う」「高齢になっても働ける場所があるのは素晴らしい」「何十年も前からこのような感じだから、今さら改善のしようがない」などの意見が寄せられています。