日仏首脳が宇宙ベンチャー「アストロスケール」を視察、デブリ除去技術で連携強化へ

地球と人工衛星

高市早苗首相は2026年4月2日午前、来日中のフランスのエマニュエル・マクロン大統領とともに、東京都墨田区に本社を置く宇宙ベンチャー企業「アストロスケール」を視察しました。今回の視察は、前日の1日に行われた日仏首脳会談において、宇宙分野での連携拡大で合意したことを受けた具体的なアクションとして位置付けられています。

視察は約20分間にわたって行われ、両首脳は同社が世界をリードする技術として注目を集める「宇宙ごみ(スペースデブリ)」の除去技術について詳細な説明を受けたほか、実際に運用される人工衛星の精密な製造現場を見学しました。アストロスケールは、軌道上に放置された古い衛星やロケットの破片などを回収・除去するサービスを開発しており、宇宙の持続可能な利用(スペースサステナビリティ)を支えるインフラ企業として、フランス国立宇宙研究センター(CNES)とも既に協力関係にあります。

視察後、高市首相は記者団に対し、アストロスケールの技術について「世界一であり、日本が誇る技術だ」と高く評価しました。さらに「宇宙の持続可能性を高める素晴らしい取り組みが広がっていくことを心から祈念し、政府としても大きなエールを送りたい」と述べ、民間主導の宇宙開発を国家として強力に後押しする姿勢を鮮明にしました。マクロン大統領もこれに応じる形で「日仏の宇宙協力は、新しいサービスを目指していける」と語り、日仏の強固なパートナーシップが新たな宇宙ビジネスの創出に繋がることへの期待を示しました。

宇宙の持続可能性を追求、日仏の官民連携による新たなフロンティアへの挑戦

今回の視察では、単なる技術見学に留まらず、宇宙ドメインの安定的な利活用を確保するために、両国が今後も緊密に連携していくことが再確認されました。特に「スペースデブリ対策」は、急増する人工衛星による衝突リスクを回避し、将来にわたって宇宙活動を継続するために不可欠な国際的課題となっています。アストロスケールが提唱する「宇宙の掃除」という概念は、今や安全保障や経済活動の根幹を支える重要なミッションとして認識されています。

アストロスケールの岡田光信CEO(最高経営責任者)らによる案内のもと、和やかな雰囲気で進められた視察の最後には、社員らが日仏両国の国旗を振って両首脳を見送る場面も見られました。外務省は、今回の視察を通じて「近年における日仏の民間企業間協力の益々の進展を確認した」としており、政府による環境整備と民間企業の革新的な技術力が融合することで、日仏両国が宇宙分野でのグローバルスタンダードを牽引していく狙いがあるとみられます。

高市早苗首相とマクロン大統領が説明を受けたアストロスケールの宇宙ごみ除去技術については下記記事をお読みください。
アストロスケール「ADRAS-J」、世界初の成果を経て軌道降下フェーズへ

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