ビル・アックマン氏、ユニバーサル・ミュージックの米上場を提案 パーシング・スクエアとの統合で640億ドルの価値最大化へ

米国の著名投資家ビル・アックマン氏が率いるヘッジファンド、パーシング・スクエアは7日、世界最大の音楽会社であるユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)に対し、同社傘下の買収目的会社との統合を提案したことを明らかにしました。テイラー・スウィフト氏やビリー・アイリッシュ氏といった世界的人気アーティストを多数抱えるUMGを米国市場へ上場させ、企業価値の最大化を図るのが狙いです。LSEG(ロンドン証券取引所グループ)のデータによれば、パーシングはUMGの株式4.7%を保有する第4位の株主となっています。
今回の提案は、現金と株式を組み合わせた形で構成されており、UMGの1株あたりの評価額を約30.4ユーロとしています。取引総額は約557億5000万ユーロ(約643億1000万ドル)という巨額な規模に達します。計画によれば、パーシング傘下のSPARCホールディングスがUMGと統合し、新会社「ネバダ」としてニューヨーク証券取引所への上場を目指します。また、経営体制の強化として、ウォルト・ディズニー・カンパニーの元社長であるマイケル・オビッツ氏をUMG取締役会の会長として迎える構想も盛り込まれました。
資金調達については、現金総額94億ユーロをSPARC権利保有者からの拠出や借り入れ、さらには保有するスポティファイ株式の売却によって賄うとしています。アックマン氏は、UMGの経営陣が推進する事業運営自体は「素晴らしい」と評価しつつも、2021年の欧州上場以来の株価低迷に危機感を表明しています。その要因として、主要株主であるボロレ・グループの保有株を巡る不透明感や、米国上場計画の遅延を指摘しており、今回の統合提案によってこれらの課題を一気に解決したい考えです。
市場の反応と今後の見通し UMG取締役会は提案を精査へ
この電撃的な提案を受け、アムステルダム株式市場でユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)の株価は11%を超える急伸を見せました。また、筆頭株主であるフランスのボロレ・グループの株価もパリ市場で4%近く上昇するなど、市場はこの動きを前向きに捉えています。一方、UMG側は声明の中で、パーシングから拘束力のない提案を受けたことを認めました。
UMG取締役会は、「ルシアン・グレンジ会長兼最高経営責任者(CEO)および経営陣のリーダーシップに全幅の信頼を置いている」とした上で、提案内容の精査を進めるとしています。現時点では、第2位株主のビベンディや第3位株主の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は具体的なコメントを控えています。年内の取引完了を目指すアックマン氏の構想が実現するかどうかは、今後行われる取締役会での判断と、主要株主たちの動向が大きな鍵を握ることになります。








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