ソフトバンクが主力プラン値上げへ 大手3社そろって「高付加価値・高料金」時代に

ソフトバンクが主力プラン値上げへ 大手3社そろって「高付加価値・高料金」時代に

ソフトバンクは2026年7月から、旗艦ブランド「ソフトバンク」の主力料金プランを月額110〜550円値上げし、データ無制限プランは1万円台に乗せる方針です。 6月2日には新たなデータ無制限プラン「ペイトク2」を開始し、衛星通信や海外データ通信などの特典を盛り込んだ高付加価値プランへと軸足を移します。 携帯大手では、既にNTTドコモとKDDI(au)が2025年に無制限プランの実質値上げに踏み切っており、料金を抑えていた「官製値下げ」期から、ネットワーク維持費や次世代通信への投資を重視する局面へと流れが変わりつつあります。

ソフトバンクは、既存のデータ無制限プラン「ペイトク無制限」の基本料金を、月9625円から1万175円へ550円引き上げると発表しました。 同時に開始する新プラン「ペイトク2」は、データ容量無制限で月1万538円とし、現行より913円高い水準に設定します。 これらのプランでは、スペースXの衛星通信網「スターリンク」とスマートフォンの直接通信により、従来は圏外だったエリアでのメッセージ送受信が可能になるほか、海外データ通信の特典も拡充するなど、料金引き上げと引き換えに通信品質とサービス内容の向上を打ち出しています。

一方で、家族割や光回線とのセット割、「PayPayカード割」やPayPayポイント還元などを組み合わせることで、実質負担額を抑えられる仕組みも用意されます。 ソフトバンクは、グループ内の決済やコンテンツサービスと連携した「ポイント経済圏」を形成し、長期利用者を囲い込む戦略を強めています。 電気代や人件費の上昇、基地局維持費などコスト増が続く中で、「現行料金ではネットワーク品質の維持が困難になる」として、値上げは「ギリギリのタイミング」だと説明しています。

総務省統計では、ここ数年でスマホ料金は低下してきましたが、物価全体の上昇や6Gなど次世代規格への投資を見据え、携帯各社は安値競争からの転換を急いでいます。 かつては料金で劣後すれば顧客離れが進むとされ、値上げは「鬼門」とみられてきましたが、通信インフラ投資の遅れへの懸念が広がる中、事業の持続性を優先する動きが前面に出てきました。

ドコモ・KDDIは先行値上げ 楽天モバイルは据え置きで対抗

NTTドコモは2025年6月に新料金プラン「ドコモMAX」を導入し、データ無制限で月8448円とするなど、従来より高い水準に改定しました。 スポーツ動画配信サービス「DAZN」の見放題や国際ローミングの無料枠、Amazonプライムの一定期間無料などをセットにすることで、料金引き上げ分を上回る付加価値を訴求しています。 家族割や長期利用割、クレジットカード連携割引などを組み合わせれば、無制限プランでも5000円台前半まで抑えられるケースもあるとされています。

KDDIも2025年8月から、データ無制限プラン「使い放題MAX+5G/4G」の月額料金を7458円から7788円へ330円値上げしました。 値上げと同時に、スターリンクの衛星通信を利用した「圏外ゼロ」を打ち出し、山間部などでもつながりやすい環境の整備を進めています。 基地局の維持・拡大にかかるコストや、電気料金・人件費などの上昇が値上げの主な理由と説明されており、ユーザーには新サービスや優先通信機能などで料金上昇分の価値を提供するとしています。

こうした中で、業界4位の楽天モバイルは料金据え置きの姿勢を崩しておらず、シンプルな料金体系と低価格を武器に、大手3社の値上げに不満を抱く層の取り込みを狙っています。 大手3社は、高品質な通信や金融・動画配信などのサービスを通じて「値上げ以上の価値」を感じてもらえるかが課題となりますが、消費者の価格感度は高く、納得感を醸成できなければ楽天モバイルなどへの乗り換えが進む可能性も指摘されています。 各社は、安値を武器に契約数を競う段階から、顧客単価の底上げと解約率の抑制を重視する局面へと舵を切りつつある状況です。

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