
法務省は3月27日、外国人が日本国籍を取得する「帰化」の審査について、4月1日から要件を厳格化すると発表しました。平口洋法務大臣が記者会見で明らかにしたもので、帰化に必要な日本での居住期間を、現行の「5年以上」から「原則10年以上」へと引き上げます。
これまで国籍法では「引き続き5年以上日本に住所を有すること」が帰化の基本要件とされており、実務上も在留期間5年以上が一つの目安となってきました。一方、永住許可に必要な在留期間は原則10年以上となります。この「逆転現象」、すなわち帰化の方が居住要件において緩いという構造が、政府内や有識者の間で問題視されていました。
平口法相は「日本社会に十分に融和していることを確認するための見直しだ」と述べ、社会とのつながりを重んじると強調しています。なお、今回の変更は国籍法そのものの改正ではなく、審査運用の見直しで対応する方針です。
今回の厳格化では、税・社会保険料の確認期間も拡大されます。住民税などの納税状況の確認期間は、これまでの直近1年間から直近5年間に延長。健康保険や年金などの社会保険料の納付証明も、従来の直近1年分から直近2年間分の提出が求められます。法務省は、こうした変更によって申請者の継続的な納税・保険料納付の実績や、生活基盤の安定度をより精緻に把握できるとみています。
もともと、前任の鈴木前法相が設置した私的勉強会では、2025年8月の論点整理で永住許可との整合性確保や国籍付与の慎重な運用を求める意見が示されていました。高市内閣は外国人政策の強化を掲げており、関係閣僚会議で議論を重ねたのち、高市首相は平口法相に帰化要件の見直しを指示しました。
実質的なハードル上昇、在留外国人の将来設計にも影響
4月からの新運用は、すでに帰化を検討している在留外国人の計画にも影響を及ぼす可能性があります。国籍法上の居住要件(5年)は変わらないものの、審査運用が厳格化されることで、実質的なハードル上昇は避けられません。帰化を断念し永住にとどまる外国人が増えることも考えられます。
外国人労働者や留学生の受け入れが拡大するなか、国籍付与の要件をどう設定するかは、長期的に日本社会のあり方にも関わる問題です。今回の厳格化が在留外国人の将来設計にどう影響するか、審査件数の推移とあわせて運用開始後の動向が注目されます。







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