KADOKAWA攻撃のロシア系ハッカー集団が再攻撃を予告 「交渉は決裂した」

出版大手KADOKAWAがサイバー攻撃を受け、システム障害や個人情報漏洩の被害が発生した件について、犯行声明を出したロシア系ハッカー集団「ブラックスーツ」が27日、共同通信の取材に応じて衝撃の事実を明かしています。
同集団は、「KADOKAWAに800万ドル(約11億円)を要求したが、支払いに応じなかった」とコメントし、「交渉は決裂した」と主張しています。さらに、同社の情報システムに侵入経路を確保していると示唆しており、再攻撃を予告しました。
トレンドマイクロの岡本勝之氏は、「最悪の事態に備えてシステムの再点検が必要」と警鐘を鳴らしています。一方、KADOKAWAは「警察捜査中の事案で、コメントできない」と述べました。
ブラックスーツは2023年に活動を開始したハッカー集団で、ランサムウェアを使ってデータを盗み、身代金を要求することで知られています。岡本勝之氏は「計画から侵入までメンバーだけで実行し、金を払うまで執念深く攻撃を続ける」と、その危険性を分析しています。
KADOKAWAへの攻撃は、サイバー犯罪の脅威を改めて浮き彫りにしました。専門家は、企業のセキュリティ対策強化と、犯罪集団への断固とした対応の必要性を訴えています。
ネット上では、「本来は交渉にも応じてはいけないので応じているKADOKAWAは甘い」「ロシアからのインターネットを完全遮断したら良い」「日本企業がエンジニアとかの技能職、技術者を底辺扱いしてきたツケでしょ」などの意見が寄せられています。
KADOKAWAのコンテンツが順次復旧 ニコニコ動画は8月5日にサービスを再開
出版大手KADOKAWAは、6月8日よりグループのサーバーが大規模なサイバー攻撃を受け、オフィシャルサイトが閲覧できない状態が続いていました。現在は閲覧可能となりましたが、一部コンテンツは順次復旧予定とのことです。
今後復旧予定のコンテンツには、新刊書籍の書影画像、映画・アニメの最新情報、書籍の売上ランキング情報、関連サイトの表示、新刊書籍の試し読み・電子書籍購入リンクなどが含まれます。
一方、ニコニコ動画も同日のサイバー攻撃により利用できない状態が続いていましたが、8月5日よりサービスを再開しました。復旧作業でデータのロールバックを実施したため、一部の動画やコメントが影響を受けているとのことです。
ニコニコ動画の各デバイスの再開状況は個別に確認が必要で、Nintendo Switch「ニコニコ」の復旧時期は未定です。両社ともに、ユーザーへの影響を最小限に抑え、サービスの完全復旧に向けて尽力しています。