米投資ファンドのKKRが、傘下の総合スーパー西友の売却を検討していることが明らかになりました。KKRは株式売却に向けた入札手続きを開始しており、小売り大手のイオンやパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)、ディスカウント店大手のトライアルホールディングスなどが応札に参加したとみられています。
買収額は数千億円規模に達する可能性があり、KKRは2月中に最終的な売却先を決定する予定です。
米国の小売り大手ウォルマートから株式の大半を取得したKKRと楽天グループは、西友の経営立て直しを図ってきました。現在の株式保有比率はKKRが85%、ウォルマートが15%となっています。
今回の売却手続きではウォルマートの保有分も含まれており、売却完了後は同社の日本からの完全撤退となる見通しです。 本州を中心に240店舗ほどを展開する西友は、小売り・外食業界で経験豊富な大久保恒夫氏を社長に迎え、事業構造の改革を進めてきました。
西友の売却により、国内スーパーマーケット業界ではさらなる再編の動きが加速することが予想されます。変革の波に洗われる中、西友の今後の動向が注目を集めています。
KKRの経営再建 売上高9,000億円規模、営業利益率5%以上が目標
米投資ファンドのKKRは、傘下の総合スーパー西友の経営再建に取り組んできました。北海道の店舗をイオンに、九州の店舗をイズミに売却するなど、不採算店の整理を進め、2025年12月期までに売上高9,000億円規模、営業利益率5%以上を目指してきました。
2024年12月期までは堅調な利益を上げるなど、再建の目処が立ったことから、KKRは西友の売却を決断したとみられています。
また、KKRは自動車部品メーカーのマレリホールディングスの経営再建にも乗り出しています。マレリホールディングスは事業再生ADRを申請し、再建スポンサーを探していました。
入札にはKKRとマザーソン・スミ・システムズの連合や、ベイン・キャピタルとアポロ・グローバル・マネジメントの連合が参加しましたが、最終的にKKRが単独で応札し、他の候補を上回る条件を提示したとのことです。
KKRは複数社の経営再建に取り組み、不採算店舗の整理や事業構造改革を進めることで、一定の成果を上げています。今後も他の企業の再建にも関わっていくことが予想され、日本の企業再生に大きな影響を与えるでしょう。