
楽天グループが14日に発表した2024年12月期の連結決算は、6年連続の赤字決算となりましたが、携帯電話事業「楽天モバイル」の業績改善により、赤字幅は大幅に縮小しました。
純損益は1,624億円の赤字を計上したものの、前期の3,394億円の赤字から着実に回復しています。また、営業損益は529億円の黒字となり、楽天モバイル参入前の2019年12月期以来、5年ぶりの黒字転換を果たしました。
楽天モバイルは契約者数を順調に伸ばしながら、赤字幅を大幅に縮小させることに成功しました。2024年12月末時点で830万人もの利用者を獲得し、1年で180万人近くの新規契約を達成しています。この急速な顧客基盤の拡大が、業績改善の原動力となったのです。
そして遂に2024年12月、楽天モバイルは単月黒字化という目標を実現しました。三木谷浩史会長兼社長は、通期黒字化への強い自信を記者会見で表明。モバイル事業の収益化が現実味を帯びてきました。
EC事業や金融事業も好調を維持 全体の売上高は約2兆2,500億円
EC事業や金融事業といった楽天グループの主力分野も好調を維持しています。グループ全体の売上高は2兆2,500億円に迫る勢いで、出資先の再評価益による利益押し上げ効果もあいまって、楽天の成長ポテンシャルの高さを印象づけました。
しかし、楽天モバイルが黒字化を達成したとはいえ、大手キャリアとの契約者数の差は依然として大きいのが現状です。設備投資の負担が重くのしかかる中、どこまで顧客を増やせるかが、今後の収益力を左右するでしょう。
三木谷浩史会長兼社長の決意は固く、楽天モバイルは2025年12月期にEBITDA(利払い前、税引き前、減価償却前利益)ベースでの通年黒字を目指しています。楽天モバイルの黒字化に向けて、5Gの普及や高齢層・地方都市への対応、グループシナジーの強化、ソフトウェアの海外販売などに注力する意向を示しました。
ネット上では、「一時はどうなるかと思っていたけど、楽天も三木谷氏も黒字化とは素晴らしいですね」「楽天モバイルに切り替えたが、気付くとポイントが貯まっていて驚くことがある」「最初ダメダメの印象だったけどいざ使ってみると他キャリアよりお得に感じた」などの意見が寄せられています。