中国IT大手の百度(バイドゥ)が手掛ける完全自動運転タクシーの営業が本格的にスタートしました。中国・湖北省武漢市では、今月末までに完全自動運転タクシーが100台以上稼働するとのことです。
車に搭載されたレーダーやカメラで道路状況を把握しながら走行しており、百度の担当者は「これまでに人身事故は起きていない」と強調しています。この完全自動運転タクシーのサービスは、専用アプリを使用することで18歳から60歳までの人が利用できます。
百度の担当者は「さらに規模を拡大させ、武漢を世界一の自動運転エリアにしたい」と発言しました。
なお、百度が完全自動運転のタクシーサービスの運営許可を取得したのは2022年です。当時は、重慶と武漢の2都市からサービスを提供すると発表し、試験的な運用として、完全自動運転タクシーを5台配備していました。
試験当時は助手席に安全管理者が座っていましたが、現在ではその姿はなく、完全無人での営業となります。もちろん運転席には誰も座っていません。
また百度は2022年12月に、完全自動運転タクシーの車両を200台追加すると発表していることから、今後さらにこのタクシーの車両が増えることが予想されます。ネット上では、「安全性が気になる」「技術の発展がすごすぎる」「事故が多発しないか心配」などのコメントが寄せられています。
百度とテスラの競争が激化|百度が一歩リードか
自動運転機能の開発を進めるもう1つの代表的な自動車メーカーとして、イーロン・マスク氏が手掛けるテスラが挙げられます。テスラの「Model 3」や「Model Y」は世界的に人気が高く、百度に並んで自動運転機能を強化しています。
しかし、百度の李彦宏CEOは2022年8月、電気自動車(EV)部門の集度汽車(ジードゥ)について、自動運転技術についてテスラより1世代先行すると表明しました。「スマートビークルを巡っては、電動であることが準決勝で、インテリジェントであることが決勝だという理解をしている」とコメント。
また、集度汽車の夏一平CEOは声明で、2028年に80万代のロボット車の出荷を目指していると表明しました。2024年に2車種目の量産モデルを投入する予定であるなど、ロボット車の開発が積極的に進められています。
さらに集度汽車の自動車は、レーザー光を使って物体との距離や方向を測定するライダーとカメラを搭載していますが、一方のテスラ車はライダーセンサーを使用していません。今後の百度とテスラの動きに注目が集まります。