
電通グループは2月14日、2024年12月期の連結最終損益が1,921億円の赤字となったと発表しました。当初の予想である235億円の黒字から一転、赤字決算となってしまったのです。
特に10-12月期の業績悪化が顕著で、最終損益は1,936億円の赤字を計上。売上営業損益率も前年同期の-0.8%から-40.0%へと急落しました。
しかし、2025年12月期については100億円の黒字を見込んでおり、業績回復への道筋をつけたいところです。広告業界を取り巻く環境は依然として厳しいものの、電通グループの巻き返しに期待が集まります。
電通グループの株価は、2024年12月期の決算が当初の予想から一転して最終赤字になったことを受け、大幅に下落しています。加えて、中居正広氏の女性問題を発端としたフジ・メディア・ホールディングスのスポンサー離脱など、業績に影響を与えかねないマイナス要素もみられます。
1月17日の記者会見以降、電通グループの株価は4日連続で下落し、23日には年初来最安値を更新。わずか5日間で5%も値を下げる結果となりました。
ネット上では、「当たり前でしょ」「やっぱり広告代理店業界は厳しくなってきているのかな?」「オリンピックで色々やらかしたからでしょ」などの意見が寄せられています。
電通グループの業績推移|米国や欧州、アジアの一部で厳しい状況が続く
電通グループは、2024年12月期の中間決算(1〜6月期)で増収減益となりました。GoogleやIKEAといった新規顧客の獲得により、収益は前年同期比12.9%増の6,809億3,700万円に達しましたが、親会社の所有者に帰属する中間期利益は63.7%減の55億6,400万円にとどまっています。
国内では好調であった一方、海外では米国や欧州、アジアの一部で厳しい状況が続いているようです。電通ジャパンの売上高の74%をテレビとインターネットが占めており、雑誌広告は23.9%増と大きく伸びたものの、売上高全体に占める割合は小さいままです。
2020年12月期(前年比-10.37%)から2023年12月期(前年比+4.67%)にかけて、電通グループの売上高は着実に増加してきました。しかし、営業利益は2020年12月期に赤字に転落して以降、回復傾向にあるものの、2024年12月期には再び大きな赤字を記録しています。
通期の連結業績予想も下方修正され、広告業界を取り巻く環境の厳しさがうかがえます。電通グループの今後の業績動向に注目が集まります。