みずほが楽天証券に約900億円の追加出資 保有比率は2割から約5割へ
みずほフィナンシャルグループ(FG)が楽天証券に対し、追加出資を行う方針であることがわかりました。この出資により、みずほの楽天証券への出資比率は現在の20%から約50%に増加する見込みです。出資額は約900億円に上るとされます。
楽天グループとみずほFGはこの追加出資の検討を公式に認め、近日中に詳細を公表する予定です。また、楽天証券を傘下に持つ楽天証券ホールディングス(HD)は今年7月に、東京証券取引所への株式上場を申請していましたが、年内の上場は見送られました。
関係者によれば、12月の上場に向けて準備を進めていたものの、株式売買手数料の無料化の影響、そして相場環境を考慮して楽天グループが求める株価評価に届かないとしています。
楽天グループは携帯電話事業のための設備投資により財務が悪化しており、楽天証券HDの上場を通じた資金調達を目指していました。今回のみずほからの出資により、当面の資金はまかなえる見通しです。
この件についてネット上では、「モバイルにさえ手を出さなければ優良成長企業だったのに楽天」「買収が既定路線ですね」「このままだと楽天証券は子会社化されちゃうか?」などの意見が寄せられています。
楽天グループの1-9月期連結決算では2,084億円の赤字を計上
楽天グループが発表した2023年1-9月期の連結決算(国際会計基準)では、2,084億円の赤字を計上しました。前年同期の2,625億円の赤字からは縮小されています。
特にモバイル事業の営業損益が2,662億円の赤字(前年同期は3,714億円の赤字)となり、全体の業績に影響を与えています。2022年10月時点の楽天モバイル契約回線数は約542万回線で、前月比で約20万回線の増加を記録しました。
三木谷浩史会長兼社長は「解約率が下がってきており、非常に良い状況」と述べており、2024年末までに800万〜1,000万回線への拡大を目指しています。
楽天モバイルの2023年の設備投資額は2,000億円の当初予算を下回る見込みで、2024年から2025年にかけての多額の投資は不要とされています。一方で、クレジットカードなどのフィンテックセグメントは増収営業増益を達成。インターネットサービスセグメントは増収営業減益となりました。