
タレント中居正広氏の女性トラブル問題をめぐり、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主が3月24日、現旧経営陣15人に対して233億円の損害賠償を求める株主代表訴訟を東京地裁に提起しました。
訴状によると、2024年末に週刊誌が報じた中居正広氏の性的トラブルとフジテレビ幹部の関与について、取締役相談役の日枝久氏や前社長の港浩一氏らは2023年8月までに把握していたにもかかわらず、女性保護を理由に情報共有を限定し、中居正広氏のレギュラー番組も継続させていました。
提訴した株主は、取締役の多くがこの問題を知らされていなかった点に着目し、フジ・メディアHDとフジテレビの内部統制システムの機能不全を指摘。取締役としての義務違反により広告収入減少という損害が生じたと主張しています。
「小さい頃からフジテレビの番組が大好きだった。不祥事があっても包み隠さずに対処してほしかった」と語る株主は、提訴前にフジ・メディアHD監査役へ経営陣の責任追及を求めましたが、「損害賠償請求はしない」との回答を受けたことから、自ら代表訴訟に踏み切った経緯があります。
ネット上では、「企業の不祥事に対してはどんどん訴訟すべき」「フジテレビの対応のまずさが、こんな巨額の訴訟にまで発展するとは思いませんでした」「多くの識者や弁護士が指摘・予想をしていた事が実際に起きる事になった」などの意見が寄せられています。
フジ・メディアHD大転換 日枝久氏が取締役相談役を退任
フジテレビと親会社フジ・メディアHDは27日、長年グループ経営の中心にあった日枝久氏が両社の取締役相談役から退任することを正式発表しました。金光修社長によれば、日枝久氏はフジサンケイグループ代表からも身を引くとのことです。
この人事は単なる一個人の退任にとどまらず、組織全体の抜本的改革の一環として位置付けられています。6月までにフジ・メディアHDの取締役は15人から11人へ、フジテレビは20人から10人へと大幅削減され、意思決定の迅速化が図られます。
特筆すべきは、社外出身者や女性の積極登用です。両社とも取締役の半数以上を社外人材とし、女性比率も3割以上に設定。
さらに平均年齢も大幅に若返り、フジ・メディアHDでは71.2歳から61.6歳へ、フジテレビでは67.3歳から59.5歳へと10歳前後の若返りが実現します。
一方、スポンサー動向については「約7割弱のスポンサーが判断保留中」と清水賢治社長が明かしており、改革の成果が企業価値回復に繋がるかは予断を許さない状況です。